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今日のゲスト

静岡経済研究所主任研究員・冨田洋一さん

「県内の非正規社員の雇用実態」

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■県内では、どれくらいの非正規社員が、どんな業種で働いているのでしょうか?
公的な統計では、非正規社員の人数が公表されていません。平成17年の国勢調査の就業者数199万人に、今回の静岡経済研究所で行ったアンケート結果の非正規社員割合37.8%をかけてみますと、県内の非正規社員数は約75万人ということになります。業種別では、飲食店や宿泊業では、約6割が非正規社員という回答でした。このほかに、運輸業や食品製造業、サービス業、小売業などで高くなっています。

■企業が非正規社員を採用する理由は?
これは、雇用形態によって異なります。パートタイマーの場合は、6割の企業で「人件費を抑えるため」と回答しています。また、最近増えている派遣社員の場合は、「業務量に応じて雇用を調整したいため」が4割で最も多く、「即戦力となる人材を確保するため」という回答が3割弱を占めています。正社員を確保しにくいという声も多く、優秀な人材を確保したいという意向が強くなってきています。

■これだけ非正規社員の割合が高まると、その役割にも変化が出てくるかと思いますが?
非正規社員というと、正社員の仕事を補助するイメージが強いかもしれませんが、約3割の派遣社員は正社員と同じ責任や権限が与えられています。一方で、責任や権限をまったく与えないケースは1割前後にとどまっていて、パートタイマーやアルバイトでも、ある程度の責任や権限が与えられています。また、アンケートでは、「業務を円滑に運営する上で必要不可欠」という回答が5割を占めていて、非正規社員の重要性はかなり高いといえるでしょう。

■非正規社員が増加することでおこる問題や課題にはどんなものがありますか?
アンケートでは「問題ない」という回答が最も多かったですが、非正規社員は終身雇用ではありませんので、契約期間が満了したら、再雇用の手続きか、再募集が必要になります。ですから、労務管理上の手間や採用業務が増えることになります。それから、指示や命令が正しく伝わらなかったり、製造業では技能の継承が上手くいかないということも問題になっています。また、企業にとっての課題として、正社員と就業意識が異なるパートや派遣を管理する中間管理職の負担が重くなったり、個人情報の管理に代表されるコンプライアンス(法令順守)のリスクが増大するという指摘もあります。

■雇用形態について今後、企業が取り組むべき課題は?
企業にとって、非正規社員は必要不可欠な存在です。今や、非正規社員なしに会社が円滑に運営できる企業はとても少ないはずです。したがって、目の前に差し迫った会社の事情を考えるだけでなく、中長期的に経営者と非正規社員が良好な関係を構築していくことが大事になると思います。しかも、これからは少子高齢化の影響で、正社員だけでなく非正規社員も不足するとみられています。だからこそ、非正規社員が「ずっと働き続けたい」と思えるような、定着率を高める方策は重要さを増していくと思います。

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