先日政府が公的年金の基礎年金部分の財源を、現行の「社会保険料」から「全額税金」で賄った場合の財政シミュレーションをし、結果を公表した。
大きく3通りに分けた試算した・・・
(A)過去に保険料をどれだけ納めたかに関係なく全員に基礎年金の満額の給付を行う。
(B)過去の未納期間分は基礎年金を減額する。
(C)過去の保険料を納めた分を基礎年金に上乗せして給付する。
この3つのケースについて「サラリーマン」「自営業者」「企業」の負担がどうなるかを所得階層別、年齢別に、世帯類型別に試算した。
サラリーマン世帯は、所得階層別の試算結果を見ると、収入の高い世帯も低い世帯も、保険料の減額よりも消費税負担の増額の方が大きい。負担の増加は月平均で、ケースAでは5000円~9000円。ケースBでは1000円~4000円。ケースCでは1万2000円~2万5000円の負担増加で、特に所得の低い人の負担が重くなる傾向にある。一方サラリーマンの保険料は「労使折半」といって半分は企業が負担しているので、税方式化によって「企業の負担は軽くなる」。その額は「A,B,C」いすれのケースでも月平均で4000円~1万3000円軽くなる。
では財源を「税金」にするメリットはどこにあるのか?
まず「個人も企業も保険料を払わなくてすむので負担が軽くなる」「社会保険庁のずさんな運営がなくなる」「保険料未納問題が解決する」「徴収コストの削減が期待される」「世代間の不公平が緩和される」など。
逆に問題点としては・・・
「消費税の大幅UP・・・9.5%~18%に引き上げるため、家計の負担大」
しかし本当に消費税でまなかいきれるのか?欧州並みの「高税率」に果たして国民は理解をしてくれるのか・・・そして企業の負担だけが減少するということで良いのか。経営者はよく国際競争のことを言うが、欧州の企業は日本の企業よりも重い社会保障負担をしながら国際競争をしている・・・
最後に藤本准教授は「社会保障制度」全体の課題として「年金をはじめ、社会保障制度の持続可能性が問題になっている一番の理由は少子化。しかし日本は少子化対策にお金をかけていない。OECDの調査では、少子化対策など家族給付が社会支出に占める割合は日本では3%にすぎないが、フランス・スウェーデンでは約10%に達している。日本も、もっと少子化対策に力をいれるべき」と話している。まさにその通りだ。この問題を解決しない限り、日本の将来は明るいものとは言えないだろう。