3月12日 「広がるAED」
心肺停止となった人への救命に威力を発揮するAED(自動体外式除細動器)は、最近、公共施設やビルなどへの設置が進んでいます。このAEDの使い方を学ぼうと、先週、沼津市の中学校で救命講習会が開かれました。
AEDをごく簡単に言えば、正常に動かなくなった心臓に電気ショックを与えて動きを元に戻す器械です。心臓マッサージなどの応急措置と併用することで命が助かる可能性が高まります。
この春、沼津市内全ての小中学校にAEDが配備されるのに合わせ、この中学では生徒への救命講習会を開きました。
生徒に受けさせた狙いを渋谷豊寿教頭に聞いてみたところ「中学生もいつどこでこういうケースがあるかわかりませんので、そのときに少しでも役に立てればいい。」と話します。
実際にAEDが活躍した例があります。去年春、大阪で高校野球の試合中に選手が心肺停止となる事故がありました。その際、居合わせた救命士がAEDを使って応急手当をし、命が助かりました。
現場の医師もAEDを使った応急措置はとても大切だと話します。「皆さんのお手元にAEDがあるということはみんなにも出来るということ。早くやればやるほど倒れた傷病者の心拍を再開できる可能性が大きくなるということ。」
AEDの成功率は、1分間に10%ずつ下がるといわれます。命を守るためには、いち早い措置が大切なのです。
では応急措置はどうしたらよいのでしょうか?
①まず意識の確認をし、すみやかに119番通報をします。続いてあごを上げ気道を確保します。
②次に胸骨圧迫=いわゆる心臓マッサージと人工呼吸です。胸の中央を上から強く押します。30回やって2回息を吹き込みます。(人工呼吸は十分衛生に配慮する)
③AEDを持ってきたら、まず電源を入れます。流れてくる音声に従い、胸にパッドを貼り付けると、AEDが心臓の動きを解析します。電気ショックをする時は体から離れてください。心臓が正しく動いていればAEDは作動しません。
④救急車が来るまで心臓マッサージと人工呼吸を繰り返します。
しかし、AEDさえあれば命が助かるというわけではありません。
沼津市立病院 林宗博医師に聞いたところ、「AEDは万能な器械ではありません。AEDは大切ですが、その前に心肺蘇生を知るということ、119番が出来るということ、この2つの上でAEDをどう使うかが、それが皆さんの手元にある大きな意味」と答えます。
生徒にAEDをやってみての感想を聞いてみました。「もしその場にいて何もできなかったら大変なので今日出来て良かった。」「今日学んだことをすべて実践して友達を助けたいです。自信はあります!」
そう遠くない将来、消火器のようにAEDが設置される日が来るかもしれません。しかし、いざというときに命を救えるかどうかは、私たち使う側にかかっています。AEDの使い方を含め『応急措置』を学んでおくことが大切です。