5月7日 「リスト作りに課題も 要援護者を救えるか」
今回は自分で逃げることが難しい人をどう救うかについて考えます。県内では、自治体がリストを作り、自主防災会などと情報を共有する動きがありますが、 様々な課題も出てきました。
御前崎市に住む伊藤梢さんです。伊藤さんは、25年前から足が不自由です。家の中では、台車に乗らないと移動できません。
東海地震では御前崎市で震度6強の心配があります。
1人暮らしの伊藤さんは、何かあった場合、通報機で東京にいる係員に助けを求めますが、災害時もつながるかはわからないそうです。
そこで伊藤さんは、この度、御前崎市が作った要援護者支援リストに登録しました。
要援護者支援リストは、自分で避難するのが難しいお年寄りなどが対象で、家の間取りなど生活の状況が詳しく書かれています。
リストがあれば、避難が大変なお年寄りを行政などが事前に把握でき対策を打てます。リストに載った人が無事に避難したかをチェックし、福祉避難所に入れることができます。
自主防災会長を務めている大村さんは、リストがあれば多くの人の命を救えるといいます。
しかし、実際の運用となると課題も見えてきました。リストに登録した伊藤さんは、1日に何回も薬を服用します。特に水は時間ごとに摂取する量が決まっています。
支援リストには病気についての項目がありますが、リストの伊藤さんの票には、薬や水についてまでは書かれていません。
また、個人情報の問題がリスト作りを一筋縄ではいかなくしています。
リストは自治体のほか自主防災など多くの人の手に渡るのです。
自主防災会長の大村さんは自宅以外の場所に厳重に保管していました。情報が不用意に流出するのを防ぐためです。
県内では御前崎市を含め3つの自治体がすでにリストを完成し、他の所でも制作が進められています。御前崎市では、リストに登録する対象を800人としていますが、実際に登録した人は半分にもなりません。
伊藤さんは、個人情報に過敏になりすぎて、自分たちのためにならないのではないかと心配します。
災害で全員が生き残るためにリストが必要なのは間違いありません。しかし本当に役立つためには数多くの課題を乗り越えなくてはいけません。