2007年5月14日 「改正された天気予報用語について」
5月14日(月)これってどうなの?!のコーナーで、先月、11年ぶりに改正された天気予報用語を取上げました。
特にアナウンサー野路として違和感を持つのは、天気予報などの文面で「宵のうち」と表現されていた時間帯を「夜のはじめ頃」に言い換えるという部分です。気象庁の定義では「宵のうち」は午後6時から9時ごろのことで、国語辞典によれば「日暮れから間もない時」「夕方と夜中の間」ということですが、「『宵のうち』をもっと深い時間帯だと誤解している人が多いから『夜のはじめ頃』に変えた」と気象庁は言います。
でも「誤解されているから使わない」のでは日本語はどんどん味気なく、貧弱な表現になっていきます。すぐに変えることを選択するのではなくて「宵のうち」が何時ごろを指すのか分かるような天気予報を心がけて、理解度を上げる努力を気象庁もマスコミもするべきだったと思います。「宵のうちは雨が降りますが夜遅くには上がるでしょう」と言えば、「宵のうち」が何時頃なのか大体掴めるでしょ。
確かに、「宵闇迫れば・・・」で始まり「今宵も更けゆく」でワンコーラス目を締める「君恋し」はすっかり聴かないナツメロになってしまったし、「まだ宵の口じゃねーか」と飲み屋でくだをまくオヤジもいなくなったから「宵」の意味が若い人に分からなくなってしまったのは仕方のないことなのかもしれません。
でも、それにも増して「夜のはじめ頃」という「訳語」は、日本語を習いはじめたばかりの外国人が使いそうではあっても、日本語の日常会話の中で、まず聞かない表現です。「朝のはじめ頃」も「午後のはじめ頃」も同様に言いません。一方で、「朝早く」や「午後の早いうち」といった言い方はします。だとすると「夜の早いうち」という言い換えの方がまだましだったように思います。
コンピューターによる予報システムの切り替えなどに時間が必要なため、気象庁が実際に「夜のはじめ頃」と言い始めるのは半年先ですが、それまでにアナウンサーとしてどう対応するか考えておかないといけません。