2005年5月5日 仏画を描く少年
5月5日(木)こどもの日、ある特技を持った中学校1年生を紹介しました。
静岡市清水区の丸山達也くんの特技とは、まぁ一般的に言えば、子供らしくない特技でしょうね。それは「仏画」を描くことなんです。「フランス画」ではありませんよ。「ブツガ」です。
仏教の世界、仏様の姿を描く「仏画」。「仏画」は、「画」という形をとって解いた経典である、とされるものなので、そこには、個人の創作の余地は、基本的にありません。経典から写し取っていくものです。また、仏の姿形は、思想の象徴であり、実体を持たないので、陰影をつけて立体感を持たせない。という決まりがあり、そういった意味では、「仏画」は「画」とはいえ、自由な感覚の「絵」のイメージとは、随分違うということが、分かると思います。
そんな「仏画」の世界に、達也くんは、どんなきっかけで、入っていったのでしょうか?考えられる要素としては、幼児期に、ひいおじいさんが、毎朝あげていたお経を、耳から覚えてしまうなど、仏教になじみがあったこと。おじいさんが書道の先生で、そのお弟子さんの水墨画展を見に行った小学校3年生の時に、「岩絵の具で絵を書いてみたい」と感じたことなどが挙げられますが、小学校4年までに、図書館で「仏画の描き方」など、多数の本を借りてきては、親の目を盗んで、(やっぱり、『子供として、少しずれているんだろうな』という自覚もありつつ、だったんでしょうね)仏の絵を独学で描いていたというのですから、これは、もう、きっかけ・動機うんぬんというより、『好きなものは、好きで、説明の仕様がない』という天賦の道なんだろうと思います。
以前から感じていたことですが、ポケットモンスターに登場する生き物たちの名前が、出世魚のように、どう変化するかを、大勢の子供がしっかり把握していることでも分かるように、子供の興味と、その対象が難しいか、易しいかということは、殆ど関係がありません。子供がそれに興味を持つかどうかは、やはり、子供たちの心が、ときめくかどうかにかかっています。
「基本的に『創作』ではない」と説明した「仏画」の世界。ただ、経典に指定が無い、仏の衣裳の色などは、書き手が決めることが出来ます。達也くんのお師匠さんは、「この子の持っている色は鮮やか。古い仏画が描かれた当時の色を引き出して行けるかもしれない」と評価しています。達也くん自身も、「国宝級の仏画を修復できるような技術を持ちたい」と話していました。