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2005年7月29日 高校野球


 

7月29日(金)、テレビ夕刊でも、高校野球静岡大会の決勝進出チーム決まる!というリポートをお送りしました。

 

準決勝の第1試合は、静清工vs掛川西。シード校同士の対戦となりましたが、そつなく攻めた静清工が、計10点を取り、今大会好調の背番号10・伊藤投手が、強打の掛西打線を四番・松浦のタイムリーによる1点に抑えて、快勝しました

 

第2試合、常葉橘vs富士宮北は接戦になりました。1対1で延長戦に突入した試合は、10回表、富士宮北が、満塁の好機に、代打小林が中前ヒット。相手中堅手の後逸もあって、走者一掃、一挙3点を取り、決着をつけました。

 

そして、翌日の決勝!SBSラジオでは、私、野路毅彦が、静清工vs富士宮北の模様を実況でお送りしました。

 

1回に、先攻の富士宮北が1点をスクイズでとれば、5回に静清工が、二死走者なしからの、振り逃げの走者を生かして、四球・連続適時打で、3点をとって逆転。8回には静清の五番・上林にソロ本塁打が出て、4-1。甲子園は静清工のものと決まったかに思われましたが、9回表富士宮北の攻めにドラマがありました。

 

1アウト後、この日三番に起用された佐野逸人がヒットで出塁。ここから、一般的な野球の常識とは違う攻めで、富士宮北が食い下がるのです。得点差は3点。一般的な常識では、とにかく、2人のランナーを出すことが先決。ホームランが期待しにくい、高校野球ならば、3人のランナーを溜めることを、第一に考えるべきで、ピッチャーの球を、ボールを期待しながら、じっくり見極めることを普通はやります。しかし、一塁走者・佐野逸人は、ここで盗塁!(ヒットエンドランのサインで、四番佐野雄大が空振りをしたのかもしれませんが…)でも、これが富士宮北のやり方・常識なのです。「打てないチームだから、次の塁を、貪欲に狙って、相手にプレッシャーをかける。そこで何かが起きるかもしれない」という考え方です。

 

事実、富士宮北は、4回戦のシード・清水東戦で、好投手豊田を相手に、1人のランナーを、2アウトにしても、送りバント2つで3塁に送り、その後のフォアボールと盗塁、安打で、2点をとって逆転するということをやっているのです。1点を這うようにして、とりにいく作戦のように見えて、それ以上の点を、知らないうちにとっているという野球です。

 

さて、決勝の9回表は、1死2塁。佐野雄大の打球はセカンドゴロで、やはり走者が進んだ分、相手にプレッシャーがかかったんでしょうか? エラーを誘い、1死1、3塁。五番金指は、ライトへの犠牲フライを打ち、4-2。しかし、アウトカウントは2つと、追いつめられます。しかし、前日のヒーロー、代打・小林が、四球を選んで出塁。同点の走者となりました。

 

2死1、2塁。ここで、ベンチは動きました。「この回に、あと2点取らなければ意味が無い」という川原監督。打者に長打を期待するよりも、単打でも、同点になる形をとろうとダブルスチールを敢行。際どいタイミングでしたが、セーフとなり2死2、3塁。

 

ここで、選手がベンチ以上に、今年の宮北野球の考え方を実践します。この土壇場で、3塁ランナーの佐野雄大がホームスチールを試みたのです。1、3塁からの重盗を別にして、成功率50%以上を確信できる本盗なんて、ありえません。但し、佐野雄大に、根拠がないわけではありませんでした。静清・伊藤投手が、セットポジションではなく、ノーワインドアップで、投げようとしたこと。そして、これは僕の想像ですが、打席には、今大会当たりが出ていない、代打・土志田陽平のクリーンヒットを待つよりも、相手に1点差で、ランナー3塁というプレッシャーを与え、暴投でも、捕逸でも、エラーでも、同点になる形を作ることが肝心と考えたのではないかということです。本盗の試みは伊藤投手のボークを誘い、佐野雄大の狙い通り、4-3。ランナー3塁の場面ができました。ここで土志田陽平は三振で、静清工が甲子園切符を手にするわけですが、そつがない静清工を、どちらが勝っているのか、わからないくらいまで、追いつめた富士宮北の、特に佐野雄大選手の勝負根性に感動した大会でありました。

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