2005年12月7日 塚間の渡し
12月7日(水)に映像詩2005で、清水港から三保半島への通勤の足となっている水上バス(船)、「塚間の渡し」を取上げました。
清水港を包み込むように突き出る三保半島。港から海の向こうに半島はすぐに見えても、陸路で向かえば、ぐるりとまわることになるので、結構遠く、三保半島を進む幹線道路は1本のみで、通勤時間帯は混雑します。
三保半島の先端近くの内海側には、日本軽金属の工場があり、造船所があります。そこへ、清水港の日の出埠頭から、わずか10分で、三保・塚間まで、通勤客を送り届けるというのが、この「塚間の渡し」の、第1の使命です。
第2の役割は、隠れた観光ルートになっているということ。通勤のお客さんは、当たり前すぎて、あまり意識していないようですが、海と港の向こうに、天気が良ければ富士山がきれいに見えますし、塚間はかつて、御穂神社から三保の松原に至る参詣道の入口として、栄えた場所です。(ですから、この渡し舟の営業は、明治の終りから続いてきたものなのです。)羽衣の松まで歩いていけるのです。
もし、サイクリングがお好きなら、自転車を水上バスのデッキに乗せて、三保まで渡ることも出来ます。エスパルスの練習を見学したり、東海大学海洋科学博物館に立ち寄りながら、今度は、三保半島の陸路を通って、海沿いに東に行き、久能山東照宮まで(あるいは、季節によっては、久能のイチゴ狩り園まで)足を延ばすというのもいいかもしれませんね。
勿論、「塚間の渡し」は、速やかに目的地に向かいますから、遊覧船のように、清水港内・駿河湾をたっぷり楽しめるわけではありません。でも、300円前後の運賃を考えれば、十分納得できる、眺めと静岡らしい体験を提供してくれること、請け合いです。天気が良いかどうかは、あなたの運次第ですけれど。
営業の渡し舟としては、明治の終り頃からですが、戦国の世の前、駿府に今川氏が館を構えていた頃に、今川氏が京都から迎えた公家のお客さんをもてなす、いわば「オプショナルツアー」のコースとして、江尻から塚間へ渡る海路というのが、使われていたことを示す文献も実は、残されているという、歴史有る海の道。ここに渡し船が残る価値を再評価したいと思います。