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2007年1月1日 2006年を振り返って


 

去年のテレビ夕刊の仕事納めは12月28日木曜日でした。その日、年末スペシャル「静岡2006時代の風」をお送りしながら考えたことがあります。去年のニュースを振り返った時に、はっきりした一つの傾向を感じたのです。

 

耐震強度偽装という去年から続く問題に加え、ライブドアや村上ファンドの事件、また、タウンミーティングのやらせ質問、宇和島の病気腎移植、一酸化炭素中毒を引き起こすガス湯沸し器の不正改造、履修不足問題などの共通項として「成果至上主義の下でのルール破りや綻び」があったということが言えます。埼玉の流水プールの事故も、市の施設の運営を、金銭面での節約という成果をあげるためにアウトソーシングし、そのまた下請が安全管理を担っていたことが女児死亡の背景だと考えると、これも「成果至上主義の下でのルール破りと綻び」に繋がってきます。

 

「小さな政府」「効率重視」「規制緩和」「自由競争」という方向にこのところ舵をきってきた日本ですが、去年は、その方策が決して万能ではないということが、局面局面で、「痛みを伴う」というキャッチフレーズ以上に身にしみた年ではなかったでしょうか。

 

「静岡2006時代の風」にゲスト出演してくださった一人、精神科医で教育問題の著作が多数ある和田秀樹さんは、「勝ち組」「負け組」が明確になるアメリカ型社会を指向するよりも、税金は高くても教育福祉の公的サービスが充実して、富の再分配機能が強いヨーロッパ型社会を、日本は目指した方が良いということを、著書「『新中流』の誕生」の中で示しています。

 

そう主張するのは、分厚い中流層がいないと、日本の製造業は国内マーケットを持てずガタガタになるからで、「負け組」がかわいそうだからではない、とわざわざ断っているところが和田氏らしいところですが、統一地方選挙、参議院選挙のある2007年に、政治・社会を見つめる新たな角度を持てる本ですので、今年最初の一冊としてお薦めします。

 

今年もテレビ夕刊をよろしくお願いします。4日が新年最初の放送です。

 

SBSアナウンサー 野路毅彦

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