2007年1月18日 浅羽の方言かるた
袋井市浅羽地区の小学生が取り札の絵を描き、商品化もされた「方言かるた」を紹介しました。
「いっとう向こうのくろへ おとっさとんでった」など、いろは48文字プラス「京」で、49の方言のフレーズがあるのですが、関西出身で、静岡市在住16年目の僕が意味を理解できたのは24でした。つまり半数以上は「何言ってるの?」です。例えば「のっきりゃあ しょうびん まっと うまくいくに」「まっと うまくいくに」は「もっと巧くいくのに」だと判ったとしても、前段はお手上げです。読み札の裏に書いてある共通語訳をみると、「思い切ってやれば、頭からの飛び込みがもっと巧くいくのに」なんだそうです。
地域に根づく方言を何とか残したいという思いやその活動は、平成の大合併が始まってから、県内の各地域でも加速しているような気がします。自治体の単位としては大きくなっても、同じ文化を共有してきた「地域」を今、大事にしなければ。隣りの町、向こうの集落とは微妙に違う「地域」の言葉を今遺しておかないと、廃れてしまうという危機感が高まっているのでしょう。
方言を後世に伝えたいという場合、冊子や本にまとめるのが最も手軽な方法かもしれませんが、具体的な発音やアクセント(音の高低)はどうなのか分からないというのが欠点です。そこで「焼津の浜言葉を遺す会」のようにCDに録音するところもあります。浅羽の方言かるたにもCDは付いていて、読み札を読んでくれるので、本来の発音・アクセントが分かります。
さらに、「かるた」という方式を取ったことが、方言を遺す上でかなり有効だと思うのです。まず「語」ではなく、「フレーズ」つまり実際に近い「使用例」で方言を理解することが容易だという点が優れています。その「フレーズ」を取り札、つまり「そのフレーズにふさわしい具体的場面の絵」と結び付けた方が、かるたの勝負に勝てますから、細かなニュアンスも把握し易い。そして何より小学生たちが興味を持ち、嬉々として地元の方言を獲得したということ。これが大きいですね。
70代が座学で40代に伝えるよりも、伝わった方言は30年長持ちするはずですから。