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2007年1月22日 公立高校の入試制度の見直し


 

県内公立高校の入試制度の見直しを審議していた有識者会議がこの日、第6回となる会合を県庁で開き、4年前の入試制度改革で導入されたばかりの前後期制を廃し、試験を一本化する新しい案をまとめました。

 

現行の後期入試的な「県共通の選抜段階」に、選抜資料(調査書・当日の学力検査・面接)の取り扱いを各高校の裁量に委ねる「学校裁量段階」を加え、1回の受験機会とする方法です。現行の前期入試的な「学校裁量段階」では実技試験などを加えることも出来ます。

 

22日の審議に入る段階では、2回の受験が可能な案も残されていましたが、中学生の娘を持つPTA代表の母親が「前期選抜は部活動で活躍した男子をイメージする。前期の枠組みを残すことは特定の子供だけが2回受験できることになり、子供の間に不公平感が生まれる」と議論の口火を切り、最終的には1回受験制を推す声が多数になっていきました。この協議会の中山慶子会長(静岡県立大教授)も結論を出した後「2回受験が可能な方法は生徒の間で不公平感が残る」と述べました。

 

2回受験制は本当に不公平なのでしょうか? 私は逆に「多くの一般的な生徒にとって、1回受験の方が不利な制度になる」と見ています。

 

例えば、毎年甲子園出場を狙うA高校(仮に1学年の定員250人とする)が「学校裁量段階」で野球の実技試験を課すとします。2回受験制の場合、「10人の合格をこの実技で決めます。11番目以下の評価の人は、後日の学力検査・調査書を中心にした選抜でA高校を受けて下さい。あるいは学力に見合った高校を受けて下さい」とドライかもしれないけれど、明解な試験になるように思うのです。ところが、1回受験制だとどうでしょう。A高校を野球で受験するということを、中学校の担任や野球部の顧問と相談し、A高校OBで同じ出身中学の人から高校の監督に打診してもらうなどして選択した生徒を、そう簡単に落とせるとは思えません。不合格にした場合、その生徒は基本的には私立に行くしかありません。ならば、何かしらの「受験前調整」のようなものが可能でしょうか? その調整で必ず野球受験は10人に絞れるというなら、一般的な生徒にとっては不利ではありませんが、野球で受験しようという生徒にとっては、挑戦すらさせてもらえない「不公平」な制度になってしまいます。こうした事情の中で、1回受験制の下での「野球枠」は「10人=定員の4%」ではなく、「定員の5%以内(あるいは程度)」などと、じわりと増えた上で少しぼやかされるのではなかろうかと思います。 だとすると、学力で合格しようとする人の枠が2、3人分圧縮されるわけで、「多くの一般の生徒にとっては、2回受験制より1回受験制の方が不利」です。

 

また、2回受験制では、それぞれの選抜基準での合格者数が、当然明らかになりますが、1回受験制では「野球」で何人が入り、「学力」で何人が合格したのか、その内訳が発表されません。これは、なし崩し的に「学校裁量」の部分が増えていく背景にもなりかねないので、最低、何の基準によって、合格した生徒が各々何人なのかを正しく発表しないと、不透明で、あとで不公平感が出て来る入試制度になってしまします。

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