2007年6月14日 「フラッシュアニメ制作の裏側」
6月14日(木)、29日まで静岡東宝とTOHOシネマズ浜松で公開中のフラッシュアニメ映画「秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE~総統は二度死ぬ~」を作ったFROGMAN氏の仕事場を取材しました。
FROGMAN氏は、この作品の脚本・監督・声の出演・録音・キャラクターデザイン・フラッシュと呼ばれるコンピューター上での動画制作など全てを担当しました。コンピューターに録音した声を切り出し調整する整音作業などでアシスタントを使いましたが、創造的な仕事は、ほとんど一人でやってしまいました。プロジェクトAのジャッキー・チェンも裸足で逃げ出す八面六臂の活躍です。
なぜ全部1人でやるのか? FROGMAN氏最初のフラッシュアニメ作品「菅井君と家族石」はインターネット上で無料で公開されていたものですが、大型スーパーで8万円で買った中古パソコンを使い、妻の実家がある島根県で1人で作りあげたものでした。登場人物のほとんどをFROGMAN氏が声色を使って演じ分ける点など、1人で作ることが一つのスタイルになり、テイストとなって、劇場用映画を作る際にも踏襲されました。
勿論、1人で最初の創作を始めたきっかけに「お金がないから大掛かりなものはとても出来ない」という事情があったのは事実ですが、もう一つ、FROGMANさんが1人で作品を作り上げる重要な理由がありました。それは日本のコンテンツビジネスに携わる人達が、いつまで経っても裕福になれないことに疑問を持っていたからです。
例えば日本の映画監督というのは基本的にお金を持っていない。だから、映画を撮るには、製作委員会などを立ち上げ出資を募り、自身が撮りたかった物語をフィルムにする。こうした場合、その映画がどんなにヒットしても、著作権は出資者にあり、監督にないので、監督は次回作も人のお金で撮らざるを得ない。また日本発で今や世界中にファンがいるキャラクターのアニメーターが月7、8万の報酬しか得ていない現実がある・・・。
「ならば人からお金を一切貰わないでものづくりをして、作品の権利を100%自分で持とう」そのスタートが「菅井君と家族石」であり、「秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE」まで基本的に変わらないFROGMAN氏の姿勢なのです。
FROGMAN氏は、その名のとおり会社名や商標に「蛙男」を起用していますが、同時に日本のコンテンツ業界の常識・構造を「変える男」でもあったのです。