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2007年11月7日 「国際アビリンピックに刺繍競技で出場! 西田茂子さん」


 

 テレビ夕刊では間もなく沼津市で開幕する「技能五輪国際大会」の県内選手7人について全てリポートで紹介しました。
そして、11月7日(水)には、同じ時期に静岡市駿河区のツインメッセで開かれる障害のある人達の技能大会「国際アビリンピック」に出場する11人の静岡県選手の中から刺繍競技に出る島田市の西田(にした)茂子さんを紹介しました。


 

 茂子さんは12年前の55歳の時に脳内出血で倒れ、以来右半身が麻痺したままです。
しかし、布に針を刺して立てておいて、利き腕ではなかった左手で糸を通します。
必要に応じて、素早く口に針をくわえ刺繍を仕上げていきます。
細かい丁寧な刺繍が持ち味で、今年1月には個展も開きました。

 

去年10月のアビリンピック香川大会で銀賞を獲得し、国際アビリンピック出場権を得ましたが、そこではフルーツ4種の課題のうち、パイナップルを規定時間内に完成させることができませんでした。
片腕の作業では、やはり時間が掛かるのですが、茂子さんは「国際大会でも得意の細かい刺繍を普段通りにやるだけ」と言葉の障害もある中、身振り手振りを交えて答えてくれました。


 

そんな茂子さんを支えているのは、夫の二郎(にろう)さんです。
茂子さんと同い年の二郎さんは茂子さんが倒れると、工業高校の教諭を辞め、介護に専念してきました。
毎日の食事を作っているのは二郎さんです。
私達が訪ねた日は、茂子さんに桜でんぶをスプーンでのせてもらい、押し寿司を作っていました。
他にもきのこそばや牛肉のステーキグレープソース、手羽先のさっと煮、じゅんさいの酢の物、すんだと黒ゴマ餡のもちというメニューが少量ずつ並ぶという、まるで高級旅館のような食事でした。
なんでも「刺繍には色彩感覚が大事でしょ。だから彩り豊かな料理を心掛けている」ということでした。
「一日中ご飯作ってるよ」という二郎さん。
毎日の食卓を写真に収め、俳句まで添えて日記としてまとめているのです。
今、介護者が疲弊して状況が悪くなるのを避けようと「頑張らない介護生活」といったキャッチフレーズの呼び掛けも聞かれますが、二郎さんの場合は「攻める介護生活」とでも言えば良いのでしょうか?


 

私の「茂子さんの刺繍からは何を感じますか」という質問に「日々元気だからできることなので介護の一日一日が生きがいに感じる」と二郎さんは答えました。
刺繍は、障害が残った茂子さんの生きがいであると同時に、介護する夫としても生きがいに感じているという意味だと私は捉えました。
アビリンピックの選手は茂子さん一人ですが、夫婦二人三脚で掴んだ晴れ舞台です。
茂子さんは11月15日に競技に臨み、結果発表は翌日です。


 

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