2008年1月30日 「リアル野球盤で定年後のビジネスを」
1月30日、定年後のビジネスとして「リアル野球盤」の普及・販売活動を考えている島田市の鈴木久雄さんを紹介しました。
鈴木さんは菊川市の自動車部品メーカーに勤める59歳。定年まであと2ヶ月余りです。「リアル野球盤」は鈴木さんが考え出したレクリエーションで、運動の強さからいうと、スポーツまでは行かないけど、室内ゲームよりは身体を動かすかなという程度の競技です。
最低10m弱四方くらいのスペース(バレーボールコート半分くらいでしょうか)があればそこを野球場に見たててプレーが可能です。まずスロープをピッチャーズマウンドに相当するところに設置します。スロープは鈴木さんが雨どいをガスコンロで温めて径を広げ手作りしたもの。ここに100円ショップで買った、とても柔かいソフトボール大の球を転がして投球します。打者は、これも100円ショップで買ったおもちゃのハンマー(打つ部分が赤く蛇腹状になっていて、叩くと「ピコっ」と音がするあれです)で打ち、フィールドに設置された「ホームラン」「2塁打」「アウト」など行き着いたゾーンに従って成績が決まるというものです。
ここはエポック社の野球盤と同じですね。
ただし「リアル野球盤」では打った人がランナーとなりベースを回ります。無論、ボールが「2塁打」のところで止まった時点で二塁までの進塁は確定していますから、慌てて走る必要はありません。ゆっくりとしか歩くことができないお年寄りや障害者の方でも自分のペースで進塁すれば良いというわけです。
実際のプレーを島田市金谷の公民館「さんらいむ」で取材しました。75歳以上の地域のお年寄りが集まってきて初めてプレーしていましたが、すぐにゲームが成り立っていました。そのための工夫として、3イニング制の「リアル野球盤」の1回表裏は3アウトチェンジではなく、打者一巡まで攻撃を続け、そこまでで何点入るかで試合を進めていました。最初のイニングで一通り「バッティング」の体験をしてもらおうということですね。また、目が不自由だなど転がって来るボールを打つのが難しい人は、ホームプレート(といってもビニールテープを床に五角形に貼ったものですが)にボールを置いて打てるなど、運動能力の違い・障害の程度によって、野球本来のルール、また「リアル野球盤」の一つのルールにこだわらず、全員が楽しくプレー出来るようになっていました。
見事3ランホームランを打ったおばあちゃんに「今、3点入りましたよ」と声をかけると、「そうかね」と野球自体が良く分かっていないような答えながらベンチに返ってのハイタッチはしっかりやっていて凄く楽しそうでした。
鈴木さんはこの「リアル野球盤」の用具を将来的には、もっと商品らしくして、地元・島田の知的障害がある人達の小規模授産施設で作ってもらい、従来の仕事よりも多くの工賃を出したいと話していました。「自分の考えたニューレクリエーションをビジネス化して全国に広げたい」という夢と「地元のお年寄りや障害者の役に立ちたい」というボランティア精神。その両方を鈴木さんは同時に実現しようと頑張っています。