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5月16日 団塊の世代(3) 「二地域居住」


国や県が団塊の世代をターゲットに提唱している、「2地域居住」です。あまり馴染みのない言葉ですが、週末だけ、あるいは定住的に田舎暮らしをしてもらおうという、団塊の世代への提案です。そして、その「2地域居住」の意義とは、多様なライフスタイルを作ることが可能で、また、都市生活では難しかった、プライベートな書斎やアトリエなどを持つことが出来るということです。また、田舎側では、一定規模の人口増加に伴う消費のアップや地域コミュニティの広がりや休耕地の有効利用などのメリットが挙げられます。2地域居住を実践している人たちを取材しました。


 

自宅のアトリエで水彩画を楽しむ島田市の羽根田さんです。羽根田さんは定年を前に、去年6月に製紙会社を退職しました。そして先月、長年の夢だった手漉き和紙の工房を川根町に構えました。羽根田さんは週3日、20㌔離れた工房に通っています。



羽根田さんは、気持ちに余裕ができ、景色もゆっくりと見えるうえ、全部がクリエイティブな1日だから、新しい発見がでてくる、と感想を語っていました。

 

羽根田さんの工房では、手漉き和紙の研究や教室をひらくなど、未知の自分に挑戦しています。


羽根田さんは、自分が一足先にこういう事やっているが、団塊の世代の人たちにも絡んできてもらいたいし、このような空間をつくっておけば、同世代の人が寄って来てくれるのでは、と語っていました。

 

県では「デュアルライフ」と名付けた「2地域居住」事業を進めています。企業を通じて、退職間近な社員に農山村の魅力をアピールしていこうというものです。

 

県農山村整備総室の岡本 伸子 技監は、山で生活できなくなった若い人が都会に出ていくとことで、人口は減少し、残ったお年寄りだけでは、十分に山や農地の管理が出来なくなり、最終的に集落そのものがなくなってしまう。そのため、優秀な人材が多い、団塊の世代の方たちを、疲弊している農山村のほうに振り向ける狙いがある、と語っていました。

 

静岡市清水区の郊外にある体験農園です。兼業農家の平岡さんが、農地を維持するため、9年前に開園しました。1区画、100平方㍍を年間2万円で貸し出しています。借り手は、ほとんどが定年退職した人たちです。

 

 

農地を借りている一杉さんは、毎日わくわくしていて、定年する方にとっては、農作業が一番だと思いますと、話していました。

 

 

ヒラオカ農園の平岡 良宏さんは、団塊の世代は、あと数年で生産人口から外れていくが、実際は70~75歳までは十分活躍できるので、仕事の続きじゃなくて、趣味でなく実益もあるようなものというのは楽しいのでは、と話していました。

 

 

都会から移り住む人が多い松崎町です。今年度から「田舎暮らし支援事業」をスタートさせました。

松崎町役場の森 秀己 課長は、都会の方が松崎町に住みたいという方が非常に多くて、町内の空き家調査をしたら200件以上あり、空き家をなんとか埋めて定住して貰いたいので、いっそのこと田舎暮らしを希望する人のために、行政で何かシステムを構築できないか、ということを考えているそうです。

 

松崎町には、既に都会から移り住み、田舎暮らしを楽しんでいる人たちがいます。

 

 

高田 啓冶さん55歳。高田さんは12年前、サラリーマン生活にピリオドをうち、東京から松崎に移り住みました。緑に囲まれた自宅で、コーヒーの焙煎を仕事にしています。高田さんは、外の緑は東京では見られないので、ここでよかったと話していました。

 


工藤 省三さん54歳。工藤さんは6年前、家族で横浜から移り住みました。月3万円の一軒家を借りて、一級建築士の技術を活かした、グラフィックデザインにも取り組んでいます。工藤さんは、都会と違って時間の流れを感じることができると話していました。

 

戦後のベビーブームに生まれ、常に社会現象の中心で全力疾走してきた、「団塊の世代」。全ての責任から、時間から、開放されたい。いつかは自分が本当に幸せだと感じる時間を、せめてリタイヤ後にだけでも持ちたい。団塊の世代が、次なる居場所探し、仲間探しに動き出しています。

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