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5月30日 団塊の世代(5) 「熟年離婚」


今回は団塊の世代を中心にした、中高年の間で増えている離婚の問題について考えます。

 

団塊世代の男性は定年後の夫婦関係に自信があるようですが、女性は厳しい見方をしています。街で「離婚について考えたことは?」という問いに、多くの女性からは、「ある」、という答えが返ってきました。



離婚した夫婦全体のうち、20年以上いっしょに暮らした夫婦が離婚したケースの割合を、1975年から5年ごとに示したグラフです。80年あたりから熟年夫婦の離婚率が高まり、最近では16%にも達しています。

 

夫婦問題救急隊サポート静岡を経営する木下 知世己さん。木下さんは2年前、離婚など夫婦問題についての相談所を静岡市と蒲原町に立ち上げました。年間250件以上の相談に応じています。

木下さんによりますと、熟年離婚を切り出すのはほとんどが妻の方からで、言われた夫の方は頭が真っ白になって、どうしていいかわからなくなる、と話していました。

 

家庭裁判所は本来、夫婦の円満を目的とした調停を行うところですが、実際は離婚を前提とした調停がほとんどです。

 

調停室で離婚調停中だという熟年女性に話を聞くことが出来ました。離婚を言い出したのは彼女の方からでした。夫には浮気・暴力・ギャンブルや借金などの問題はないといいます。

 

 

離婚調停中の女性は、「夫から愛情を感じなくなり、女性として見てくれなくなった。夫にとって自分は、子どもの母親で、夫も子供に見えてきて、私を母親としか見ていない。子どもが大きくなると、ただの母親になってしまい、自分がこのままでいいのかと思ってしまった。」と、原因を語りました。

 

 

離婚の訴訟を数多く手がけ、県が主催する離婚問題の講演会などで講師を勤める橋本裕子弁護士。橋本弁護士自身も団塊の世代です。橋本弁護士は熟年離婚の原因について、企業で働く夫と、家庭で専業主婦として働いてる妻に役割分担が生じていて、妻を補助職と考える夫と、男女共同参画社会について勉強している妻との間で、考え方のギャップが大きいのではないかと、分析しています。

 

 

また橋本弁護士は、定年退職で仕事がなくなる夫に対し、妻には家事という仕事が残るので、それを夫の方から役割を分担していかなければ、夫婦関係は壊れていくのではないかと、分析していました。

 

 

2007年4月、年金制度の一部が変わります。熟年離婚が増えたことと関係があるようです。年金制度改正との関わりを調べる為、 社会保険事務局を訪ねました。

 


静岡社会保険事務局 年金課の天野 滋 課長補佐は、男女の年金受給額に大きな開きがあり、女性の高齢期における所得水準が低くなる問題が生じているため、と改正の理由を語りました。つまり、離婚後の女性の経済的負担を少なくするための法改正です。

 


例えばサラリーマンの夫と専業主婦だった妻が定年後、30万円の年金の給付を受けるとします。この夫婦が離婚した場合、今は妻の方は基礎年金分の7万円ほどしか給付されません。しかし2007年4月以降、このケースでは妻には最大15万円までの年金が給付されます。

 


離婚を決意した女性にとっては、歓迎すべき法改正ですが、一方で2007年4月を境に、熟年離婚がさらに増える恐れもあります。では、どうしたら熟年離婚の危機を乗り越えられるのでしょうか?

 


夫婦問題救急隊サポート静岡の木下 知世己代表は、日頃から、妻に優しい思いやりの言葉と態度で臨む必要があるのでは、とアドバイスしていました。

 


橋本弁護士は、夫が、妻に対して言葉や物などで、大事な存在であるということを感じさせ、コミュニケーションを取ることが必要である、とアドバイスしていました。

 

離婚ばかりでなく、定年を契機に別居したり、夫の世話を一切拒否する妻は増えそうです。自分だけは絶対大丈夫だと思っている団塊の世代の男性の皆さん、今一度結婚した当時の気持ちでパートナーと心を通わせてください。

インタビューした橋本弁護士によりますと、離婚は考えていてもなかなか踏み切れない妻が、離婚を決意する要素は大きく3つあるということです。

①夫からの言葉の暴力
(理解の無い言葉・思いやりの無い言葉)
②親の介護の押し付け
③定年退職

このどれもが妻の離婚を後押しするということです。最悪なのは「誰が稼いでいると  思っているんだ!」という夫の一言だそうです。また、仕事で頑張っていることや会社で評価されていることをいくら主張してもかえって逆効果だということです。

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