今回は、妻と子を残して戦地に赴いた一人の兵士が、戦場から家族に宛てた手紙。その妻が戦場の夫に宛てた手紙を紹介します。一枚の紙で招集された男たち、家族から見た戦争とは何だったのでしょうか。
静岡市の有東木は、安倍川の上流にある75戸の集落です。静岡市葵区の谷間を流れる清流が、山の幸を育み、人々の暮らしを紡いできました。戦争とは無縁に思われるこの桃源郷にも、悲しみの歴史が刻まれています。
宮原孝雄さん、宮原さんが大切にしている、父の戦場からの手紙です。
孝雄さんのの父、松夫さんは、25歳で召集され、妻のしでよさんと、1才の孝雄さんを残して、戦地中国に渡りました。
当時中国は、1937年7月の盧溝橋事件を発端に、戦火が全土に広がりました。日本政府は国家総動員法を制定し、大勢の兵士を中国に送ったのです。
松夫さんが、戦場から家族に送った手紙は、30通を越えます。
宮原さんは、時間をかけて書いた手紙を何よりの楽しみに、また、心の支えにしていたのでは、と話していました。
戦後60年、遠ざかる戦争の記憶に何か訴えようと、宮原さんは戦場からの手紙を手記にしました。
しでよさんが戦場の夫に送った手紙です。そこには、夫の身を案じ、帰りを待ちわびる妻の思いが綴られていました。