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9月12日 防災を考える (2) 「広域支援の課題」


今回は、災害時の広域支援の課題を探ります。

 

今年6月に静岡市で行われた緊急消防援助隊の訓練は、東海地震を想定して、全国から400隊、およそ2000人が参加しました。この訓練は今年、県が策定したあるプランの、初の本格的な検証の場でした。

 

そのプランとは、「県広域受援計画」です。東海地震が発生した際、他県からの応援部隊を受け入れるための具体的な活動内容を県が示したものです。

 

県防災局災害対策室の松永憲明 室長は、東海地震が発生した時、警察・消防は地元の救出活動や治安維持になどに手一杯になるが、被災していない他県からの応援が来た時に、受け入れる準備が必要になると話していました。

 

計画によりますと、他県からの応援部隊は5万1500人です。訓練では、この大部隊をいかに迅速、かつ効率的に県内の被災地に派遣できるかという点で様々な課題が浮き彫りになりました。

 

1つは、消防車の給油の問題です。消防車はそもそも地域内の消火活動に従事するため、燃料タンクが比較的小さくできています。応援の際には、長距離を走ることになるため、途中で給油が不可欠となります。このため訓練では、1部隊何台もの消防車が給油を終えるのにかなりの時間を要しました。

 

もう一つの課題は、車両によって速度が違うことです。例えば、ポンプ車はスピードが出ますが、炊飯車は遅いため、1つの隊で遅いスピードの車に合わせますと、到着が遅くなってしまいます。松永災害対策室長によりますと、消防の検討会の中で班を2つに分ける案も示されたということです。

 

こうした中、県内の自治体レベルでも、他県のまちと災害時に連携しようという動きが出てきました。富士宮市では、お隣りの神奈川県の南足柄市とこのたび、「災害時の相互応援協定」を結びました。

 

9月1日に実施された富士宮市での総合防災訓練では、協定を結んでから初めて、南足柄市の消防や職員が参加しました。

 

倒壊家屋の中に人が取り残されているとの想定で行われた訓練では、要請を受けた南足柄市側が現場に駆けつけました。隊員たちは消火活動に加わり、富士宮市側との連携作業を確認しました。

 

また、会場では、南足柄市の職員が訓練の内容などを熱心に尋ねる姿もみられました。

 

小室 直義 富士宮市長は、市同士が協定を結んでも動くのは人間なので、防災、消防の実務者がお互いの顔を知っているのは重要なことで、地域の人たちも富士宮市が南足柄市と協定を結んだということを見てほしい、と話していました。

 

また、特に応援部隊の派遣には、どこの被災地に、どの部隊を何人送り込むか、迅速かつ的確な情報が必要不可欠です。市の対策本部では、合わせて南足柄市への情報伝達訓練も行われました。

 

この訓練では、被害の状況を確認した富士宮市側が、南足柄市へ電話やFAX、そしてインターネットを使って情報を伝達し、応援物資の要請から応援部隊の職種や人数、そして被災地での経路を確認する作業に追われました。

 

実際の災害時には、こうした伝達方法が不可能な事態も想定され、この点は今後の検討課題として残りました。

 

神奈川県南足柄市の須谷 美實 防災課長は、普段からの危機管理を持って、両市が防災体制の確立に向けて、今後さらに連携が必要だと考えている、と話していました。

 

小室富士宮市長は、広い行政区域の中で、どこがどういう状況か、それぞれの場所によって状況が違うため、本部でしっかり把握できるような情報伝達システムを今一度確認していかなくては、と話していました。

 

県や市では今後もこうした訓練などを行い、検討を重ねることにしています。応援部隊を生かせるかどうかは、受け入れる側のきめ細かな体制づくりが鍵を握っています。

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