今回は、子どもたちの体力低下の現状です。
秋は運動会の季節。県内各地の小学校で、子どもたちが元気に走り回ります。しかし最近、運動会が姿を変えています。かつては定番だった騎馬戦や綱引きといった種目が消えつつあるのです。
保護者からは、プログラムが昔に比べて競技が減り、内容がやさしくなっていることから、子どもの体力が低下しているのではないかという声が聞かれます。
体力低下はこの小学校だけの話ではありません。体力的にきついという理由で、組み体操の人間ピラミッドの段の数を減らした小学校もあるのです。
毎年行う体力テストの結果ですが、20年前に比べて軒並み成績が落ちています。中学校3年生男子の1500メートル走は、平均タイムが30秒近く落ちてしまいました。20年前の子と今の子が一緒に走ったと仮定すると、110メートルの差がつくのです。
子供の体力を維持したい、伸ばしたいと考える先生たち。袋井市の浅羽東小学校の牧野先生は体育の授業前に鬼ごっこを取り入れました。
走る、止まる、向きを変える。子供たちを楽しませ、持久力、瞬発力、筋力をつけるのが目的です。
浅羽東小学校の牧野誠三先生によりますと、以前の子どもは遊びの中で動作を自然に身につけていたが、今の子どもはそういうものがなくて、ボール投げをした時、手と足が両方一緒に出てしまうような、ぎこちない動きになってしまうそうです。牧野先生は、友達と体を動かして汗を流すことは、楽しいと感じさせてあげたいと話していました。
先生たちの試行錯誤は続きます。
一方で興味深いデータがあります。県内の小中学生の体力は、全国でもトップレベルだというのです。
県教委体育保健課の杉本芳和 主事によりますと、小学校で92.7%、中学校で94.4%の学校が全国平均を上回っているそうです。
全国平均も低下する中でのトップレベル。中学校の現場はどう見ているのでしょうか。
榛原中学校はアーチェリーや剣道などが全国大会に出場する、部活動の盛んな学校のひとつです。
全国でもトップレベルとはいえ、体力は低下しているようです。なぜ子供たちの体力が落ちたのでしょうか。対策はないのでしょうか。
体育主任の大森実 教諭によりますと、授業数の減少、部活の時間の制限により、運動の時間的・内容的確保が難しくなっているそうです。
中学校の体育の授業時間は、20年前に比べて、年間で15時間も減少しているのです。
大森教諭は、今の子にあった目標の持たせ方、興味の持たせ方が必要になっているのではないかと感じているそうです。
昔の子供は遊びで体力をつけてきました。しかし、現在は体力づくりが大きな課題です。なぜ子供たちの体力が落ち続けるのか、社会や家庭でも考える時期に来ています。