今回はある場所への指定管理者制度について取り上げます。
まず、指定管理者制度についてですが、これまで公共の施設、「市民文化会館」や「科学館」などは、市が管理をしていました。これを民間企業や営利を目的としないNPO団体に管理運営を任せることをいいます。静岡市は図書館にこの制度を導入しようと考えていますが、強い反発が起きています。
今月19日静岡市の図書館協議会で、疑問と怒りの声が相次ぎました。
静岡市立中央図書館長の諮問機関である『図書館協議会』が、指定管理者制度を図書館に導入しようとする静岡市に反対を唱えたのです。
静岡市では、来年度から指定管理者制度を市立西奈図書館で試行=試験導入する予定で、2年間でおよそ3000万円が削減できると見込んでいます。
その後、他の市立図書館にも導入を広げていく考えです。しかし、市は地元住民への説明をせず突然、西奈図書館への導入を明らかにしたため、強い反発が起きています。
清尚子さんは、静岡市内の小学校で司書をする傍ら、読み聞かせボランティアとしても活動しています。
清さんは、数年契約の指定管理者制度では経験を積み上げていくことが出来ず、優秀な司書が育たないと図書館の「質」の低下を懸念しています。
静岡市と同じ政令市で、昨年度から指定管理者制度を取り入れたのが福岡県北九州市です。
北九州市は戸畑図書館など5つの図書館に指定管理者制度を導入し、1年間で5900万円の経費を削減しました。
平日の開館時間を1時間延ばして午後7時までとし、接客態度も良くなったと利用者の反応は上々です。
指定管理者制度の成功例とみられがちな北九州市ですが、そもそも館内の不潔さが指摘されるなど、市が直営していた頃の状態がひどすぎたと、引き継いだ館長の伊藤さんも認めています。
伊藤さんの報酬は市の職員が館長だった頃の3分の1。
図書館を愛する気持ち、地域の人たちと作り上げていこうという気持ちが行政にもあれば、指定管理者制度はいらないと複雑な胸の内を明かします。
全国で多くの公立図書館の運営を請け負っているこの企業も、運営コストをただ下げたいだけという自治体は成功しないと指摘します。
民間業者にとってもうまみがないといわれる図書館運営。市の直営では何が問題なのか。静岡市は経費削減だけでなく、利用者の立場に立った図書館の将来像を示す必要があります。