今回は静岡市内に、設備はしっかりしているのに休館日ばかりという施設が有ります。一体どんな施設で、なぜ休館が多いのでしょうか。
静岡市にある、静岡競輪場です。敷地の一角に20年程前、ある施設が作られました。それは、図書館です。
その名も「競輪場ライブラリー」。静岡競輪場の正面ゲート脇に設置されています。
ところが、図書館の存在を知っている人はあまりいません。それもそのはず、レースのある日はいつも休館しているからです。
そこで、開館日に訪ねてみました。蔵書はおよそ3万冊。小さいながらも、設備としては十分整っています。棚には、古典や文学作品の他、各分野の専門書などが並びます。
そしてこの図書館は、子ども用の図書コーナーが充実していて、かなりのスペースを割いています。明らかに、競輪場の利用者向けの施設ではないことが分かります。
そもそもこの図書館はなぜ作られたのでしょうか。
オープンは1988年。地元からの要望もあり、およそ1億円をかけて作られました。
管轄するのは、市の財政局公営競技事務所。つまり、競輪場の一部として運営されています。
静岡市財政局公営競技事務所の原 幹雄 所長によりますと、競輪場ができたことにより、周辺住民の日常生活に不便をきたすことがあるため、周辺住民に恩返しできればということで、この図書館が作られたそうです。
あくまでも、「本の貸し出し」というサービスに特化した施設です。「図書館法」の規定に沿って設置される市立図書館とは違い、専門の司書はいません。
また、図書館と競輪場の利用者を分けるのが難しいため、レース開催日には休館していて、月曜日と祝日は利用できません。このため、開館日はとても少なく、6月の開館日は12日です。
開館日を増やしたいところですが、原所長は、レース開催日に、競輪場利用者が図書館内でレースを予想されるのを避けたいからだと言います。
しかし、オープン当初から開館日が少なかった訳ではありません。その背景には、競輪場の入場者数が減ったという事情があります。収益確保の策として、静岡以外の場外レースの日にも競輪場を開き、車券を買える日を増やしました。
このため、結果として図書館の開館日が6割ほどに減ったという訳です。
元々は、地元の要望だった図書館。しかし最近は、その存在感も薄いようで、実際の利用実績は、月に200人余り。一日20人前後で、十分活用されているとはいえません。
この図書館の本、大部分が市立図書館から借りているものです。また、パソコンによる検索ネットワークといった一部のサービスは、市内10カ所と共有しています。
市立図書館側としては、「施設の運営そのものについて、口出しする立場にはない。」としています。
施設がもっと活用されるには、市民に施設の存在を周知させるのはもちろん、開館日が大幅に減ったという、状況の変化に応じて、運営方法そのものを見直す必要があるかもしれません。