今回は施行から3カ月が経った障害者自立支援法についてです。障害者の自立を支援する法律ですが、障害者や施設からは悲鳴があがっています。
今年4月から施行された障害者自立支援法。
障害者に福祉施設の利用料1割を負担してもらうことで、自治体や障害によって差があるサービスを一元化します。
障害者の自立を支えるとうたう一方で、その負担が大きいと全国から悲鳴があがっています。
精神障害者およそ30人が通う掛川市のひまわり共同作業所。
こちらでは自立支援法に従って運営することになりますが、利用料1割負担となると、授産所に通う人達の手元に残る工賃はわずかとなってしまいます。
ひまわり作業所に通っている、ある女性。統合失調症を患っていて、亡くなった夫の遺族年金で暮らしています。
もらっている工賃は、生活費にあてているだけです。自立支援法では、この女性は1日460円利用料として負担しなければなりません。しかし、作業からの工賃は1日平均430円ほど。利用料に届きません。
お金とるばかりじゃなくて、障害者のことも考えてほしいとこの女性は言います。
ひまわり共同作業所の水野洋一所長は、精神疾患だと午後まで持続できない人が何人もいて、3~4時間しか働けない人はマイナスになり、障害者の社会参加に逆行していると言います。
国はこのような実態をどう捉えているのでしょうか。
厚生労働省の宮本直樹課長補佐は、低いレベルの工賃を高くするように、施設や関係者の人にも検討していただくとともに、国や自治体も施策を考えなければならないと言います。
自立支援法は障害者に負担を強いるだけではありません。施設側の運営も厳しくなりました。今まで1人の利用者に対する支援費は月単位で決められていましたが、4月からは日割り計算になったのです。
知的障害者通所授産施設 掛川工房つつじの小野田光雄施設長は、障害が重くなれば、休む率は高くなり、休む率が高いほど、施設に入る支援費は減少すると言います。
運営費を維持するために、この施設では利用者に提供する給食の食材費を見直すなど経費を削減しています。
工房つつじでは、積極的に社会参加しようと手作り製品を街中で販売するギャラリーを出店しました。
小野田施設長は、障害者が施設だけでなく、地域社会の中でも生活できるようになればと言います。
自立支援法によって、障害者の働く場が窮屈になっていくように見えます。障害者や施設までもが努力を強いられる社会。少し厳しすぎるのではないのでしょうか。