今回は掛川市の体育館「さんりーな」のパスポート券廃止の波紋を取り上げます。
幅広い年齢層が親しめる施設を目的に3年前に開館したばかりの掛川市総合体育館「さんりーな」。
開館と同時に始まった「共通パスポート券」は、市民およそ1300人が持っています。
プールとジムをいつでも利用できる正会員は月4500円、平日会員は3000円でその安さが魅力でした。
「さんりーな」に通って1年半の男性。2年前に脳卒中で倒れたために、リハビリとしてパスポート券を買い、毎日のように利用していました。
病院のリハビリは金銭的に負担が大きく、足が遠のきました。利用料が安い「さんりーな」に通ったお陰で麻痺はほとんどなくなりました。
リハビリや健康維持にと、市民から人気のパスポート券でしたが、今年4月、突然利用者のもとに廃止の知らせが届きました。
掛川市教育委員会の奥宮正敏スポーツ課長は、パスポート券によって、利用客の拡大を図る役割が終わったことと、民業圧迫になっていることが廃止の理由であると言います。
今月からパスポート券は廃止されました。ジムは400円、プールは500円。利用するたびに払わなくてはなりません。
平日、毎日利用すると、プール、ジム合わせてひと月およそ1万6千円かかります。平日会員はいままでの5倍以上の負担となります。
周辺の民間のプールの利用料はひと月6000円から8000円あまりで、民間に比べても高くなります。
利用者有志はおよそ2200人の署名を集め、掛川市に制度の存続を訴えましたが、民間の運営を圧迫するなどの理由で廃止は撤回されませんでした。
利用者からの陳情を受け、市議会文教厚生委員会でも審議されましたが…
民間と公共で競争し、より良いサービスにつなげる、理想とはかけ離れた意見に聞こえます。
結局、陳情は採択されませんでした。
パスポート券廃止からおよそ、ひと月経ちました。1カ月前に比べて随分と利用者が少なくなった感じがします。
さんりーなを愛する会のメンバーによりますと、パスポート券使っていた人がほとんど見えなくなっただけでなく、インストラクターの教室では、以前は30~40人いたのが、今は4、5人しかいないため、相当減ってるんじゃないかと言います。
掛川市では、パスポート券廃止によって影響が出た場合、対応を考えなければならないとしています。
パスポート券の存続を求める市民の声は届きませんでした。仮に今後利用者が減るような事があれば、何のための市民サービスがわからなくなりそうです。