峠道で暴走行為を繰り返す「ローリング族」は、一般車への危険と騒音が問題となっています。速く走るために車を改造し、中には車検を通らないものもあるといいます。改造に手を貸す無認証工場の実態を取材しました。
先月、三島警察署と県警は、ローリング族の車を分解整備していたとして、無認証の工場を摘発しました
自動車整備工場は大きく3つに分けることができます。運輸局の認可を受けた「民間車検場」や「認証工場」では、車検や法定点検に伴う、分解整備ができるのに対し、「無認証工場」では、タイヤやオイル交換など、分解を伴わない整備に限られています。
今回摘発された業者は、無認証で車のブレーキやトランスミッションなどを分解整備していて、車をいわゆる「走り屋仕様」に仕上げていたのです。
県警交通部暴走族対策室の谷川貞男室長は、捜査により事態がわかったため、ほかにもあるとみて、ローリング族を検挙する度に整備する側も調べていきたいとしています。
一方、暴走する側はどう考えているのでしょうか。
以前、ローリング行為をしていたという20代の男性2人に会うことができました。
車検を通る範囲での改造だとした上で、車を見せてくれました。
谷川室長は、ローリング族は、ひとつ間違えると死亡事故につながるきわめて悪質な運転行為で、ローリング族はもとより、そういった行為に手を貸す業者についても警察は厳しく取り締まりを実施していきたいと言います。
自動車の整備工場に認証を与えるのは運輸局です。こうした無認証工場について、どう捉えているのでしょうか。
国土交通省静岡運輸支局の岡本光雄技術専門官は、無認証工場は安全上の担保が何もないため、安全を優先するのであれば認証工場を薦めると言います。
また、無認証工場の数については、届け出義務がないので把握できないと言います。
現在、県内の認証工場の数はおよそ3400。しかし、無認証工場は数の把握すらできていないのです。
以前、違法改造もしていたという無認証工場の経営者は、認証工場は定期的に監査を受けるが、無認証工場には入らないので関係ないと言います。
無認証工場への調査について、岡本技術専門官は法律上立ち入りが難しい点をあげます。
つまり、無認証工場への立ち入り調査はあくまでも「お願い」なのです。
立ち入り調査で、違反が明らかになった場合、刑事罰としては50万円以下の罰金に処せられますが、営業停止などの行政上の処分について岡本技術専門官は、認証工場は認証の取り消し事業停止処分など行政上の処分があるが、無認証工場ついては行政処分の範囲に入っていないので行政上の処分はできないと言います。
無認証工場の取り締まりは、現実には、国の立ち入り検査に強制力がない、行政上の処分がないなど、実行力に不備があるといわざるをえません。私たち一般車が巻き込まれないようにするためにも、ローリング族の車を生み出せないようにするための法律の強化が求められます。