社会保険庁では、年金の不正な免除手続きがあった問題で、全国で1800人を処分しました。
静岡県では特に多かったというこの「年金の不正な免除」、実態はどんなものだったのでしょうか。
全国で22万件もの不正な手続きが発覚したこの問題、静岡県でも1万8000件余の不正がありました。
これは都道府県別にみると3番目という多さでした。
本来、本人に確認した上で本人がするべき手続きを連絡がなければ承諾とみなす形で行ってしまったのが今回の不正で、中には職員が署名を代筆していた例もありました。
背景には、年金の不払いが問題となる中、収納率を上げたいという社会保険事務所の思惑がありました。年金を払わなくてもいい、免除の人が増えれば、分母が減る分、率が上がるわけです。
静岡県で不正が多かった理由は、これが組織ぐるみで行われていたからです。浜松東事務所で始まった不正は、県のトップである事務局長の指示で広がりました。
県内9つの事務所のうち、7事務所で不正があったことがわかっています。
不正の発覚後、この局長は更迭されましたが、社会保険事務所が、この「不正」を「悪いこと」だと考えていたかどうかは、どうも微妙です。
そもそも免除とは、収入が少なく、保険料を払えない人を救うための制度。
本人の承諾がなかなかとれないことが多いけれど、有利になる制度なんだから利用してほしいと言います。
前局長の更迭を受けて就任した山本新局長も、「不正な手続はよくないこと」としながら、「免除」を勧めることは必ずしも悪くないと言います。
以前、免除手続きを受けていた人に話を聞いたところ、確かに免除はありがたい制度だと言っていましたが、一方で、「お役人」に対する不信感も口にしていました。よくわからないまま、手続きがすすんだそうです。
確かに、今回の不正免除には、「被害者はいなくて、むしろ本人のためになる」という考え方もあります。しかし、問題は、社会保険庁に対して国民が感じている不信感が、これによってまたしても大きくなってしまったことでしょう。
山本新局長は、9つの事務所を全て回って、若手の職員から、何が問題なのか、現場でどんなことが起こっているのかを聞き取りました。
静岡社会保険事務局を訊ねると、あちこちにこんな張り紙があります。
国民の信頼は、果たして取り戻せるのでしょうか。