怪我や病気から社会復帰を目指すためのリハビリ。そのリハビリが回復の程度に関係なく、一定の期間で打ち切られることになり、患者からは不満や不安の声が上がっています。
三島市内の病院にリハビリに通う女性、77歳。去年、腰の神経の病気で手術を受け、今年4月からほぼ毎日、懸命にリハビリに励んできました。
当初は車椅子での生活だったのが、杖を頼りに自力で歩行できるまでに回復しました。しかし、この女性は、この撮影をした先月末までで、リハビリを受けられなくなりました。
今年4月、治療や薬などの価格である診療報酬が2年ぶりに改定され、リハビリは4つの疾患別の体系に分けられました。患者個人の回復具合や通院日数とは関係なく、発症した日か、手術を受けた日から数えて、一律に期限が設けられたのです。
導入時の混乱を避けようと、以前からの患者も4月1日からカウントされることになり、今回、一斉に期限を迎えました。
診療にあたる医師たちも、この制度に疑問を投げかけます。
この病院は健康増進教室などの名目で、なんとか患者のケアを継続する手立てを検討しましたが、保険制度の壁に阻まれ、断念しました。
さらに日数制限の導入を機に、リハビリ外来を閉鎖してしまった病院も少なくありません。リハビリ医療に力を入れてきた、40年以上の歴史を持つ伊豆の国市の病院も、診療報酬改定が大きな要因となり、7月下旬に業務を休止しています。
改定の背景には、増え続ける医療費の抑制をどうするかという問題があります。
毎日のようにリハビリに通っていたこの女性は、リハビリ期限が過ぎたため、リハビリのメニューを見ながら自宅で自主トレも始めました。
リハビリ打ち切りの波紋は大きく、厚生労働省には全国から撤廃を求める署名が多数届けられています。
厚生労働省は、打ち切り期限の後は、必要なら介護保険サービスを利用する事で、リハビリを継続可能だとしていますが、リハビリ医療と同じレベルの質や量が確保できるのか、疑問の声があります。
患者の機能回復にかかる時間には個人差があります。医療費の抑制は避けられない問題ですが、リハビリに一律に期限を設けることが適切だったのか、再検討する必要があるのではないでしょうか。