今回は都市計画道路を取り上げます。30年以上も前から「計画」があるのに、全く作られていないものも多いという実態を取材しました。
都市計画道路とは、街づくりの基本となる道路です。ごくごく簡単に言ってしまえば「主な道路」が「都市計画道路」だと考えてもよいでしょう。
県内には、986路線、延長にして2600kmの都市計画道路があります。そして、そのほぼ半分、1180kmは整備がされていません。
つまり「都市計画道路」の半分は、計画だけがあって、まだ手がつけられていないのです。1180kmといえば、静岡県の東西に横断する距離の7倍にもなります。県の横幅の7倍もの長さの道路が「計画されているけど、作られていない」わけです。
県内の都市計画道路をまとめた資料を見てみると、昭和30年代に計画が決定したにも関わらず、いまだに整備距離はゼロ、という道路計画もあります。
30年、40年という長きにわたって、「計画はあるけどそのまんま」という道路も多いのです。
県議会議員の藤田寛さん(平成21・浜松市)は、県議会の質問で「行政が見直しを怠ってきたとしか考えられないのでは」と指摘しました。
都市計画道路とは、行政の「審議会」で決められます。
都市計画とは、その街をどういう形で作っていくのかを決めておくもの。将来を見据えて、きちんとしたデザインを作っておこうというわけです。
しかし、その弊害もあります。浜松市に住むこちらの男性は、10年ほど前に家を建てようと思った際、地震に強い鉄筋コンクリート造りにしようと思いましたが、きまりでできなかったそうです。
家が都市計画道路の予定地になっていたからでした。予定地にかかると、将来道路を作るためにさまざまな規制がかかるのです。
じゃあ、いつごろ道路ができるんだろう?男性が役所に聞いても、明確な答えはありませんでした。
この男性の家にかかった都市計画道路は、なんと1946年に最初の決定をし、1974年に最終決定したもの。30年以上も、計画だけがあって道は作られていない状態なのです。
こちらは浜松市の都市計画道路図。整備されていない、水色の部分も多くあります。
都市計画は、街づくりのうえでは重要。いったん決めたものはなかなか変更もされません。
しかし、いっぽうで、道路を作るのはお金がかかること。財政的にも苦しい時代、道路はなかなかつくられません。
県議会で都市計画道路の現状に疑問を投げかけた藤田寛さんはこうした仕組みの見直しが必要だと言います。
県でも、見直しに向けたガイドラインを作ろうという動きが始まりました。大昔に作られた計画だけがあって、実際の道路はなかなかできない…という状況を、見直すための基準を作ってみようというわけです。
都市計画道路は、高度成長期に計画されたものが多いようです。右肩あがりの時代に「そのうち作るから」と計画された道路。現代の状況からするとズレているものも多く、やはり、見直しは必要でしょう。