今回は駿東郡小山町に建設計画が持ち上がった、場外船券売り場「ボートピア」を取り上げます。この施設をめぐっては隣の御殿場市から、建設に「待った」をかける声が上がっています。双方の考えを取材しました。
ボートピアとは、場外舟券売り場のことです。大型モニターや観客席、券売窓口を備え、全国の競艇の舟券を購入することができる施設です。
仮称「ボートピアふじおやま」は、小山町須走地区のおよそ4万3000平方メートルの土地に建設が計画されています。施設には350の観覧席と16の購入窓口、500台の駐車場などを備える予定で、年間37億5000万円の売り上げを見込んでいます。
小山町須走のボートピア建設予定地です。現在は草が生える空き地となっています。このボートピア、小山町に計画されている施設なのに、なぜ隣の御殿場市が反対しているのでしょうか。
①御殿場市が反対する第一の理由は、その「立地条件」です。
建設予定地は、小山町の須走地区ですが、御殿場市との境まではおよそ800メートルです。
御殿場市長は、予定地は「御殿場市内のようなもの」として、138号線の渋滞や環境への影響などを指摘します。
一方、小山町長は、調査結果や他の県の視察を元に反論します。
②ボートピアが計画されている土地は、演習場用地が国から払い下げられた「開放国有地」です。
払い下げに当たり、関係自治体は、地元農家の振興のために使うことを決定しています。
御殿場市長は、この「開発計画の枠組み」から外れると主張します。
それに対し小山市長は、御殿場の進める板妻の開発や裾野市に隣接地の運動公園についても、2市1町の確認をしたのかと反論します。
一方、この土地は払い下げ当時、入会権を持っていた764人が地権者となっていて、組合を作って管理しています。
組合長の滝口さんは、土地の賃貸料収入や地元雇用の確保などで「地域の活性化につながる」と大きな期待を寄せています。
試算では、年間1500万円程度の賃貸料が見込まれています。
今後、このボートピア建設を進めるには国土交通省の許可が必要です。許可を得るための条件は①地元の合意②地元議会の反対がないこと③地元首長の同意の3つです。
「地元の合意」については、去年夏、地権者が同意し、今年に入ってからの地元説明会で各地区も基本的に受け入れる意向を示しています。
「地元議会の反対がないこと」について、小山町議会では、今のところ表立って反対の動きは出ていません。
そして、3つ目の条件である小山町長の同意ですが、長田央町長は、まだ正式に態度を表明していません。
御殿場市と小山町は、生活・文化圏が一体で、消防やごみ処理事業なども一緒に進めています。
どういった結論が出るにせよ、将来に禍根を残すことだけは避けなくてはなりません。