今回は、全国的な問題になった履修不足の問題です。県内では、ほぼ3分の1の高校で明らかになりました。なぜこの問題が起きたのか、その補習のあり方は適切なのかを考えます。
全国的にも問題となったこの履修不足。静岡県内でも、進学校を中心に全体のほぼ3分の1の学校で何らかの不足がありました。
補習しなければ卒業できない、ということになり、不安に思った人もいます。
不足のあった学校の校長を集めた臨時の会で、県教委の遠藤教育長は「ルールを守ることを教える教育者がルールを破ったことの重大性を再認識しなくては」と呼びかけました。
学校からは、実施に当たっての不安についての声があがりましたが、それだけではなく、必修の科目を定めた指導要領、また文部科学省の方針についての意見もあがっていました。
県教委の担当課長は「学校の悲鳴を国に届けなければ」とも話していました。
教育現場からは、履修不足は必ずしも「いけないこと」ではなかった…そんな思いが見えてきます。
1単位は授業35コマ。本来は300時間前後の補習が必要ですが、国と県教委がかなり優しい基準を定めたため、補習はそれほど多くなくて済むようです。
「不公平だ」という声もありますが、それはあくまでも受験を基準にして考えた意見です。形だけの学びになってしまいかねないことも、問題ではないでしょうか。
「学力低下」が叫ばれ、少子化で各学校が生徒を取り合う中、今回の問題は必要悪、あるいは悪しき慣行として行われたと静岡大学教育学部の馬居教授はそう話します。
今回の問題をきっかけに、18歳にはどんなことを身につけさせなくてはいけないのかを、もう一度、見直していくべきだと馬居教授は訴えます。
馬居教授は、国による、いじめ対策有識者会議のメンバーでもあります。現在大きな問題となっているいじめと、履修不足との関連について、履修不足に代表されるような、「とにかく学力を、受験対策を」という方向性と、いじめにきちんと対応できるようなきめ細かさとは、両立が難しいのではないか…。と指摘しています。
今回の問題は、現在の教育のゆがみのあらわれといえます。このゆがみをどうただしていくのか、馬居教授は、現場からの声を伝え、生かしていくべきだと話していました。