いよいよ受験シーズンですが、県内の高校入試のあり方が来年の春から変わる見通しです。受験機会を増やそうと4年前に導入されたばかりの前・後期制が早くも見直しになるなど、入試制度が揺れ動いています。
現在の公立高校の入試は2003年から前期、後期の2回に受験チャンスを広げスタートしました。しかし今、選抜方法のあり方や受験回数も見直そうという動きが出ています。
今月10日に開かれた公立高校の入試制度を話し合う会議です。
ここでは、2003年度に始まった前後期制の見直しを前提に議論が白熱しました。
現在の前後期制は、受験機会を2回にしようと5年前に始まりました。前期、後期ともに学力検査が義務付けられています。
新たに検討されているのは前後期制の枠組みは残しながらも前期選抜に相当する「特色化選抜」と後期に相当する「一般選抜」の二本柱とするという案です。特色化選抜は学力検査なしで、実技で選びます。一般選抜は、これまでのように学力試験と面接、調査書で判定します。
県教育委員会が入試制度にメスを入れた背景には現在の前後期制で浮かび上がった多くの課題があります。
まず、前期の枠が小さいため、前期選抜の志願倍率が高くなり、大量の不合格者を生み出したことです。
また、前期の不合格者のおよそ9割が、後期でも同じ高校を受けるなど、当初の複数校受験の狙いが現実にそぐわないことも明らかになりました。
さらに学校ごとの独自問題を出していた前期選抜で、出題ミスが相次いだことや試験問題を作成する教師の負担から、半分以上の高校が県の共通問題を採用するなど、前期選抜の存在意義も揺らいでいます。
県教育委員会の安倍徹高校教育課長は、特色を持った総合問題を作りながらやってく形を目指したものの、結果的に同質化というか、前期と後期の違いが無くなってきたと言います。
導入が検討されている「特色化入試」が議論を呼んでいます。「特色化」とは何なのか、定義があいまいなためです。
協議会では特色化を「体育的・文化的活動または特別活動」としています。部活動にしぼった選抜になれば、特色化を受ける生徒だけが、一般選抜と合わせて受験機会が2回になります。
ほとんどの生徒は一般選抜の一回だけのチャンスとなるため、公平性をめぐって委員の間から批判が相次ぎました。
こうした中、特色化選抜を独立した選抜として実施せず、一般選抜の中に高校裁量枠として盛り込む一本化案が新たに浮上しました。
この案は、学力検査を全員に課しますが、部活動において秀でた生徒の選抜枠を学校ごとに設けることができるようにしました。受験機会は1回と今よりも減りますが、公平性は保たれるというわけです。
新たな制度は早ければ現在の中学2年生が対象となる来年春の入試から導入される予定です。
「特色化・一般選抜の二本化案」と「一本化案」。最初の受験生になる中学2年生のとらえ方は様々です。
秀英予備校中部本部の小菅豊清部長は、二本化が一本化になる動揺というのは、そんなには影響がないのではと分析しています。
受験生にとってわかりやすい入試制度を目指しながら、どう公平公正を目指すのか。公立高校の新たな入試制度は今月22日に決まります。