全国的な問題となっている看護師の不足は県内でも深刻で、病棟を閉鎖する病院も出てきました。そこで今回は看護師不足について取り上げます。
沼津市立病院では、去年、来年度採用の看護師を募集しましたが、60人の予定に対し、採用できたのはわずか9人。
2次募集でも5人で、最終的に看護師の数が確保できず、10ある病棟のうち、1つを閉鎖することになりました。
なぜ、ここまで看護師が不足しているのでしょうか。
その理由は、慢性的な不足に去年春の診療報酬の改定が追い討ちをかけたのです。
これまでの基準では、患者10人に対し看護師1人の配置が最も手厚い看護とされ、患者一人当たり一日1万2090円の診療報酬が支給されてきました。それが改定で7人に1人にすれば、患者一人当たり1万5550円とさらに高い診療報酬がもらえるようになったのです。
仮に、「ベッド数100の病院」が、10対1から7対1まで看護師を増やしたとすると、年間およそ1億円の増収となる見込みです。
安定経営を目指し、各病院が一斉に看護師拡充に乗り出しましたが、パイは限られている為、看護士不足に陥った、といわけです。
沼津市立病院5階西病棟。閉鎖された病棟の患者さんを受け入れました。看護師は、朝から忙しく走り回ります。
現場は、どのように感じているのでしょうか?
駿東郡清水町にある「県立東部看護専門学校」。昨年度から定員が40人増え、現在280人の生徒が看護師を目指して、日々実習などに励んでいます。
看護師の卵たちは、どんな病院を選ぶのでしょうか?
看護師不足の影響で、斉藤武男校長は、求人が以前よりも増えたといいます。
一方、沼津市立病院も、ただ手をこまねいているわけではありません。
隣接する建物に保育所を作り、働きやすい職場にしようという計画です。来年度中の開設を予定しています。
一方、看護の現場も仲間を増やすために活動しています。パソコンが得意な看護師が中心となって、看護学生向けの求人広告を作っているのです。
県では、看護師不足にどう対処しようとしているのでしょうか?
県では、潜在看護士への病院紹介やブランクを埋める実習など実施して、少しずつ成果を挙げていますが、まだまだ足りないのが現状です。こうした状況が続けば、最終的には患者へのしわ寄せが心配されます。
看護師は、命に接する職業だけに、負担を現場や患者に転嫁することは許されません。患者が増えるこれからの高齢化社会を見据え、行政による抜本的な解決が望まれます。