今回は市営住宅のペット問題です。伊東市では、市営住宅で禁止されているペットについて、厳しい取り締まりを実施しました。反発もあり、問題は複雑なようです。
伊東市が市営新山住宅を手始めに、去年からペット一掃作戦を始めました。
市の対応は期限付きでペットを手放すか、一緒に出て行くか選択を迫っています。従わない場合は、部屋の明け渡しを求めています。
また、生活保護を受けている場合は、支給を打ち切るという県内でも例のない厳しいものです。
10年ほど前から猫を5匹飼っているという女性は、市の巡回指導の後、ペットとともに部屋を退去することを選びました。
長年犬を飼ってきた女性は、市の対応に反発しています。
市営住宅での動物の飼育は迷惑行為として条例で禁止されていますが、市は長年違反があっても文書で注意する程度で、強硬方針に転じたのは去年の夏です。
ここでペット絡みの近隣トラブルがエスカレートしていたからです。
そうした中で、去年8月24日に住民同士による傷害事件が起きてしまいました。
加害者は当時81歳の一人暮らしの男で、飼っていた猫に関する苦情を、上の階に住む女性姉妹が市役所に言いつけたと思い込み、自宅前の階段で夜に待ち伏せし、口論の末、持ち出した大工道具で2人に襲いかかり、後頭部や背中にけがをさせたもので、傷害の現行犯で逮捕されました。
今月7日、地裁沼津支部で言い渡された判決は懲役8カ月の実刑。「動機は短絡的で身勝手。規範意識も希薄。」と断罪されました。
老人の事件は皮肉にもルール遵守を促す役割を果たしました。
新山住宅でペットを飼っていたのは、市の想定よりだいぶ多い25世帯で、全体の1割余りに上りましたが、抵抗は思ったより少なく、4月初めまでに18世帯がペットを手放すと約束。
残りの7世帯は自主的に退去するということです。
実は伊東市は、ペットを保健所に渡すのは殺すと同じと抗議する市内の動物愛護団体との対立を避け、途中で里親探しの猶予期間を設ける形で、最終期限を延期しています。
しかし、新山住宅にいた犬や猫およそ50匹の半数は、まだ引き受け先が見つかっていない状態です。
今回の問題で猫を14匹引き取った伊東市内の里親です。
エサ代だけで月20万円位、雑種だとなかなか引き取り手が現れず、限界だと言います。
伊東市では今月から2カ所目の角折住宅での巡回指導を始めました。ここは違反者は少なく、0世帯あまりと市は見ていますが、住民は首をかしげます。
また、ペットを手放す覚悟をしたものの、まだここで暮らす望みを捨てきれない人もいます。
しかしこうした住民の要望に対して、伊東市は現状では応じられないとしています。
14カ所に1000世帯余りが暮らす伊東市の市営住宅。ここでのペット一掃作戦は、今のところ強硬路線が功を奏したように見え、市は6月末までに完了すると強気です。