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6月25日 コレってどうなの? (60) 「保険の不適正請求の波紋」

 

今回は藤枝市立総合病院で発覚したインプラント治療における保険の不適正請求問題を取り上げます。不正請求額の返還方法や保険医療機関の登録取り消しなどの処分をめぐって地元では動揺が広がっています。


 


病院が過去5年間に社会保険庁に不適正に請求していた保険料の金額はおよそ1億2千2百万円に上ります。全国的でも評判の良かった病院でなぜこのような事態が起こってしまったのでしょうか?

 


不適正な請求が指摘されたのは藤枝市立総合病院で実施されたインプラントをめぐる治療です。

 

インプラントとはあごの骨にボルト状の金属を埋め込みその上に人工の歯などを固定する治療法です。入れ歯などに比べると違和感が少なく高齢者を中心に人気が高まっています。

 

しかしこのインプラント治療は保険が適用できないため1本30万円から50万円の治療費は全額患者の負担となります。

 

 

今回問題になっているのは、このインプラント治療そのものではなく、この治療する前段階で実施されるあごの骨を整える手術などです。

歯を埋め込む土台をつけるとき歯の骨が小さかったり、弱かったりする場合には事前に骨を補強する処置が必要です。

この手術はのちにインプラントをする場合には全額患者の自費負担となります。

 

しかし、この保険がきかない前段階の処置などに保険が適用してしまったのというのが今回のケースです。

 

問題発覚後、病院は不適正な請求が起こった理由をこう説明しました。

 

 

しかし事態は歯科だけの問題にとどまらずさまざまな波紋を呼んでいます。

 

保険不適正請求に対する処分の1つに「保険医療機関の指定取り消し」があります。

藤枝市立総合病院にこの処分が下された場合、歯科だけでなくすべての患者の治療費は全額自己負担となります。

 

志太地区の基幹病院が保険医療機関の指定取り消し処分となれば地域全体に大きな影響を及ぼすと地元の医師も危機感を強めています。

 

病院側は不適正請求した1億2千2百万円を全額返還するという方針を示しました。

返還方法としては、病院が社保庁に請求する診療報酬から差し引く方向で検討されていますが、それだけではまかないきれない部分は市の補正予算、つまり市民の税金が使われる見込みです。

 

この保険の不適正請求が起こってしまった背景には保険制度の複雑さも関係しています。

 

今回問題となった顎堤形成術などはインプラントの事前処置の場合は保険が適用できませんが同じ処置を入れ歯を入れる目的で実施すれば保険が適応できるのです。

 

厚生労働省では「全ての治療は最終的な治療目的にそった計画がたてられているはずで保険請求ができるかできないかの判断は明確」としています。

事前処置とインプラント治療をした時期が何カ月も空いた場合やその際、診療計画を変更する場合などには現時点ではどこまでを一連の治療とするかの明確な指針はありません。

 

病院側の認識の甘さや、保険制度の在り方にも疑問を投げかけた今回の問題。とはいえ、全てのしわ寄せは市民にかかってくるということを覚えておいて欲しいものです。

 

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