「アクアスやいづ」は、市民の健康増進をうたい文句に、焼津市が国と県の補助を受けて20億円をかけ、焼津新港の一角に建設しました。焼津を代表する企業57社が出資する「マリンタウンやいづ」が、指定管理者となって華々しくスタートしました。
しかしオープンしてから1年が経過した現在の市民の印象は・・・。
施設は、海洋深層水を使ったタラソテラピーが特徴で、海水プールのほか、ジェットシャワーや海藻パックなどのプログラムがあります。
利用は、ビジター制と会員制があります。会員制は会費に応じて施設を利用出来るシステムとなっていて会費は、月額5250円から1万8900円のダイヤモンド会員まで五つのカテゴリーと10のコースがあります。
トレーニングマシンなども充実し高級感溢れる施設で売り出したものの市民に、その良さが浸透していないのが現状です。
「マリンタウンやいづ」の3月期決算の株主総会で売上高1億2500万に対し、営業損失2億2700万円に上りました。
赤字の原因は、売り上げの柱である会員が計画を大幅に下回った事でした。
会員は、去年9月の1071人をピークに先月末時点では836人まで減少してしまいました。目標2000人には、遠く及びません。
レストランを含めた施設全体の利用客は年間16万人を見込んでいましたが、半数の8万人に留まっています。
㈱マリンタウンやいづ 松村友吉社長は「会員数が伸びなかったのは我々の指定管理者としての運営、現場でのサービス力もあると思いますが、やはりタラソテラピーというものの認知不足ですね」と話します。
会員は、どのように思っているのでしょうか?
「市場開拓を積極的にやっていればこれほど赤字幅が、膨らむことはなかったのではないでしょうか?」との質問に、
㈱マリンタウンやいづ 松村友吉社長は「施設のキャパもあるんですよね。キャパからすると計画通りいったらオーバーフローしちゃうので計画が大きかった。」と話します。
損益分岐からみれば、例えば月会費1万円のゴールド会員が2000人いなければ黒字にはなりません。
この会費の高さがネックになっている事も確かです。
アクアスやいづの現在の会費について市民に聞いてみたところ、「もう少し安くしてほしい、値段がわかりづらい」という意見が多々ありました。
マリンタウンやいづ 渋谷 和身 常務 に会費について聞いてみたところ、
「この施設のこの金額としては、利用の目的として施設の規模、使っているマシン、社員の資質を考えると決して高いとは思っていません。ですから私どもの説明不足がある。」と答えました。
会費以外にも問題はまだあります。交通アクセスです。
駅から遠く、路線バスが運行ルートに入っていないため、車で来るほかないのです。
全国規模で見てみると、アクアスだけではなく自治体が絡んだタラソテラピーの施設では、採算が合わず苦戦しています。開業1年を迎えた施設の赤字はつぎのとおりです。
2003年に開業した宮古市のシートピア「なあど」は、焼津市が、運営方法などを視察した施設です。開業時、第3セクターの公社がタラソ施設と物産施設を運営していましたが、赤字が膨らんだタラソ施設を2年後に市に返上しました。現在は、市から委託受けた民間会社が運営していますが依然赤字です。
「アクアスやいづ」は、1周年のイベントで体験会やキャンペーンなどおこない、ようやく会員の獲得に動き出しました。
その結果、新たに25人が入会しました。
マリンタウンやいづ 渋谷 和身 常務 に「交通アクセスの問題や、もっと早く会員を獲得する努力を行うことができなかったのか?」と聞いてみたところ、
「お年寄りのかたは一人でこられないものですから、そういう方の利用を図るためにも市に協力を呼びかけて、バスを乗り入れして貰えるようお願いしています。また、1年目でございますので、現状の業務に追われていたと言うこともあり、頭ではわかっていたのですが、なかなか行動に移すのが遅かった、その点は反省しています。」と話しました。
交通アクセスや市民向けの特典などを早く導入しなければ市民の気持ちは、遠ざかるばかりではないでしょうか。
現在、市民の会員加入率は、1%にも達していません。税金でつくられた施設である以上、市民の目線を忘れずに2年目の経営に全力をあげてほしいものです。