きょうは浜松市天竜区にある市営の温泉スタンドです。市はスタンドを年内に廃止することを決めましたがこの施設にはこれまでに莫大な予算をつぎ込んでいます。
こちらが天竜区の温泉スタンドです。アルカリ性の単純温泉で神経痛や筋肉痛などに効能がある温泉は、プリペイドカード方式で持ち帰ることができます。しかし、この施設、これまでにかけた予算は2億円に上ります。
天竜温泉スタンドは浜松市が運営するれっきとした公営の温泉施設です。
住民はプリペイドカードで24時間いつでもこの温泉を24時間汲むことができます。
しかし、取材に訪れたこの日、4時間あまりの間に利用した人は一人もいませんでした。
浜松市担当職員の方にお話を聞いたところ「旧天竜市が地域の活性化のために作った」
と話します。
温泉スタンドがあるのは浜松市の天竜区阿多古地区です。
夏場に多くの行楽客が訪れる清流など恵まれた自然を生かし滞在型の一大温泉施設を作ろうと合併前の天竜市が観光協会の要望を受けて計画しました。
その元手となったのはあの「ふるさと創成資金」です。
天竜市にも配られた1億円で温泉の掘削に取り組んだのです。
しかし思うようにことは運びません。湯の量が足りず計画は頓挫してしまいます。
1998年になんとか温泉スタンドとしてオープンしますが年間200万円から300万円の維持費がかかり、開業当初から赤字を計上してきました。多い年では赤字額は1000万円を超えました。
また湯の温度は当初25度でしたが、今では20度前後にまで下がっています。くみ上げているのは温泉というより水です。さらに湯の量自体かつての7分の1にまで減りました。
今では利用者は一日に数人が利用するかどうかです。
去年までの8年間に利用された金額はおよそ600万円。一方で、費やした予算は2億円に上ります。元を取るどころではありません。
最近は隣の浜北区に温泉施設が完成し、利用者が回復する見通しが立たない上、2、3年後には設備を全て取り替えるため1500万円から2000万円がかかることから廃止が決まったのです。
住民は「もったいない」、「計画自体間違っていた」と口を揃えます。
今回の廃止について、当時の天竜市長はどう考えているのか聞いたところ、
「成功するだろうと思ってやったんだから」
「地域の活性化にはなったと思う」
当時の天竜市長は地域の活性化という当初に理念を強調しますが、2億円という金額は決して少ない額ではありません。
温泉スタンドはこの年末に廃止することが決まりましたが、市が投資した2億円余りは何だったのか。疑問を持たざるを得ません。