よくわからない時代、よくわかるニュース。「SBSテレビ夕刊」毎週月~金 夕方5:45
防災マニュアル
知っとく情報BOX
映像詩
野路毅彦の気になった特集週1便
水野涼子のおでかけ日記
テレビ夕刊ができるまで
ご意見・情報募集
SBS Top
テレビ夕刊 Top

11月19日 コレってどうなの? (79) 「新設病院 でも医師が足りない!」

 

今月1日から、浜松市浜北区に浜松赤十字病院が開院しました。
今まで総合病院や分娩のできる産婦人科がなかった浜北区民が、完成を待ち望んでいた病院です。
しかし、産科を始め一部の診療科で医師がいなくなってしまいました。
その背景には、医師の不足の他に、医師の偏りがありました。


 


浜松赤十字病院は以前あった浜松の街中から10キロ離れた郊外に新しくできました。
廊下を広くして待合室のイスは災害時にベッドになるよう配慮されています。
病室はベッド数を減らしてゆとりある空間を大切にし小児科は壁に絵を描いて明るい雰囲気にしました。

 


ここは産婦人科です。畳の分娩室や、入院したベッドでそのまま分娩できる部屋など、最新の設備と工夫がほどこされています。
しかし、肝心の医者がいません。


 

産婦人科では、去年12月に最後の一人の医師が辞めてしまいました。
浜松医科大学から非常勤医師を一人派遣してもらい検診だけはしていますが、最低3人必要な常任医師を確保できず、分娩はできません。

その他にも、脳神経外科、麻酔科、眼科でも人が足りず、医療機器はあるのに高度な治療ができないでいます。

 



たとえば浜北区より北に住む人が産婦人科にかかる場合お産のときには、聖隷病院などさらに数キロ離れた病院にいかなければなりません。

 

 

どうして一部で医師がたりないのでしょうか。

浜松赤十字病院の院長に聞いてみたところ、
「今はっきりしているのは、(医師が)大都市にしかいかないということ。少ないとこにはいきたくない。医療のトラブルがあまり起こらない科。そいういうとこに希望が多い。」と答えます。

 

以前は医師個人に勤め先の病院を決める権利がなく所属する大学の教授が決めていました。
しかし近年自由に選べるように変わったのです。
そのため若い医師を中心に、人手が多く、最新技術を学べる大都市の病院に希望が集中するようになりました。
実際、大都市の病院には、数百人の研修希望の医師が集まりますが、この病院には今年、2人しか来ませんでした。


 

病院の中にも偏りはあります。
研修医は最初の2年間、主な科を回りながら医者の基礎を学ぶとともに、どの科の医師になるかを決めます。
そのため、医師が足りず激務の科や訴訟の多さを見聞きした科は選んでもらえなくなったのです。


 

研修1年目の医師に聞いてみたところ、

「特に産科は女性が目指している方が多くて、仕事としては産婦人科をやりたいけど、家庭をもつのが大変になってしまう。夜も昼も関係なく、土日もまったく関係なく(働く)ところで、家庭をどういうふうにもっていくかというところでみんな悩んでいる」
「もともと医者になる動機はリスクの低い科を求めて、という人はほとんどいないと思う。リスクが低いところを選んだ人たちも、それに飛びついているわけではなくて、悩んだ末にだと思う。」と答えました。

国が、医師による自由選択をすすめている中、現段階では医師の偏りは仕方ないことなのかもしれません。


 

現状では医療関係者は、研修医として都市部へ行った医師が戻ってくることを期待するよりほかありません。

浜松赤十字病院の院長も

「研修医制度は6年。それが終わった時点、3年半後には少し解消されると思いますが」「その間、いろんな病院が歯をくいしばるしかない。」と話します。


 

では3年半の空白の期間をどうすればいいのでしょうか?

 

浜松医師会の山口会長は

「病院と病院の連携、これを病病連携、さらに診療所との連携、これを病診連携ということで、専門の医師の不足を補っていくよりほかない。」

と答えます。


 

産科をはじめとした医師不足を病院同士の横のつながりでなんとか補っているのが現状で患者の負担は増えるばかりです。
医療格差をなくす早急な対策が必要です。

 

ページトップへ
Copyright (c) 2005 Shizuoka Broadcasting System., All Rights Reserved. tvukan@digisbs.com