今回の”コレってどうなの?”は生活保護についてです。
生活保護とは国が生活に困窮する全ての国民に必要な保護をし、最低限の生活を保障すると共に自立を助長するものです。しかしいま、生活保護の申請を拒否されるひとが相次いでいます。この生活保護が受けられない現状を取材しました。
阿部輝男さん56歳。阿部さんは、生活保護を受けて生活しています。
5年前、阿部さんは1年間、路上生活をしていました。
阿部さんは、「40歳の時に交通事故をして、首と背中がヘルニアになり、それまではトラックの運転手をしていたが辞めなくてはいけなくなった。」と話します。
阿部さんは路上生活中に生活保護の制度を知ります。阿部さんの場合、就労できず、資産がない上、家族がなく、生活保護以外の救済方法がないということで受給が決まりました。
生活保護は必要最低限の生活費を算出し、支給します。家賃は、39900円までと決められています。
阿部さんの場合は総額11万円支給されていますが、ギリギリの生活だと言います。
昨年度の国の一般会計予算のうち、25.8%が社会保障予算で、生活保護の予算はこのうち、わずか2.58%です。国の生活保護予算は削減傾向にあり、生活保護を受けるのは厳しくなっています。
いま生活保護を申請しても受け付けてもらえないケースが相次いでいます。なぜ行政は受け付けてくれないのでしょうか?
医師は診察内容をまず、紙のカルテに書いていきます。
40代の男性です。申請に来たのは2回目ということです。前回は家族が働くよう指導され、申請を受け付けてもらえませんでした。
男性は、「今回で2回目、何とか申請を出させてもらった。今日来て申請出せなかったらこの前と同じだから意味が無い、申請だけは出させてくれと強く言ったところ、やっと出させてもらった」と話します。
生活保護は、各市町村の福祉事務所で受け付けていますが、直ぐに申請できるわけではありません。
まず、相談をした後、申請、そして、認められれば支給されます。
しかし、相談の段階で返されてしまい申請に至らないケースが多いのが現状です。2005年、静岡市では2865件の相談に対し、申請が受理されたのは709件でした。
おととし5月、北九州市では生活保護を二度断られた男性が死亡しました。北九州では、不正受給が多かったことから、厳しくするあまり、申請書を受け取らない水際作戦と呼ばれ
る方式を多く用いていたといわれています。
事情に詳しい小林司法書士は「北九州方式は酷い。静岡を比べたときに大丈夫かと考えると、困っている人が申請すら出来ずに帰ってきている事実がある。いつそういう事が起きてもおかしくない。」と話します。
ところで、市では申請の受理をどのような審査で行っているのでしょうか?
静岡市福祉総務課の方に伺ったところ「本人の病歴、資産、身内の援助の可能性、就労の可否など、かなりプライバシーに踏み込んだ調査や事前相談をする。」と言います。
市としては本当に生活保護しか方法がないのか、細かく調査した上で、受理を決めるということですが、本当に必要な人も受けられない現状があるのではないかと司法書士は懸念します。
静岡市では、生活保護の申請を断られ、路上生活を余儀なくされているひとが少なくありません。
専門家は生活保護を必要としている人たちが増えていると指摘します。
「生活保護を受けようとする人は、仕事がなく 生活追い込まれている、路上生活強いられている人が多い」と言います。
生活保護は貧困者を救う最後のセイフティネットです。行政は門前払いすることがあってはなりません。