いわゆる三位一体改革が進められる中で、税源の移譲や地方交付税の削減により、各自治体は、自ら税源を自分たちで確保する必要が高まっていますが、地方税の滞納額はなかなか減りません。現状と課題について取り上げます。
地方税とは住民税や自動車税、固定資産税といったものですが、県内での滞納額は市町村税457億に、県税134億と、あわせると591億円にも達しています。なんと磐田市の年間予算とほぼ同じ規模の額です。
県内の市税や町税の徴収率は平均で92.2%全国平均を0.5ポイント下回っています。最も高い由比町が99.0%で、最も低いのが67.1%の東伊豆町です。
観光産業を基盤とした東伊豆の徴収率が悪化したのは、バブル崩壊後だといいます。
東伊豆町 税務課の田村課長は「観光客が激減する中で、収益が落ち込んできた。それで弁済能力の低下につながった」と言います。
周辺市町との合併を見送り、当面単独での道を決めた東伊豆にとっては、税収入を確実に確保する必要がありますが、訪問してみると「後継者もいなくて厳しい・・・、払いたくても払えない。」という厳しい現状がありました。
また、顔を知っているがゆえに、「もう少し待ってくれ」とお願いされるという小さい町ゆえの悩みもあります。
これだけ行政が積極的に徴収に取り組むようになったのは、自治体自らの責任で行政サービスをするように、国から地方に3兆円の税源が移譲され、地方税の重要性が増したからです。
これを受け、県と県内の全ての市町では先月、滞納整理を目的とした全国初の広域連合を設立させました。財産があるにも関わらず、督促に応じない悪質なケースや、人間関係などで、徴収が難しいケースをこの専門組織が処理します。
県総務部 税務室の永田参事は
「差し押さえなどもしますので、効果はあると思います。」と言います。
一方、市税の滞納を削減しようと、独自のアクションプランを作ったのが浜松市です。
安定した徴収ができるよう、給与から税金を天引きにする特別徴収を増やそうと、去年12月、鈴木市長自らが事務所に働きかけました。その結果、2500社が実施を決めました。
鈴木康友 浜松市長は「国税は罰則がありますが、地方税はないので、特別徴収の大切さをわかったもらいたい。」と話します。
浜松市では徴収率を2009年度末までには99%にアップさせることが目標ですが、浜松市ならではの大きな課題がありました。
それは、外国人の納税です。浜松市でも外国人の徴収率は6割にも達していません。しっかり払っているブラジル人の女性は「納付書が来ていたから払っていたが何の税金なのかがわからなかった。」と、市の説明不足を指摘します。
鈴木康友 浜松市長は「外国人は日本人と違って日本で生活していく上でハンデがある。税金の知識がないから環境を整えないといけない。」と今後の目標を語りました。
財源となる税金を徴収するためには行政は、悪質な滞納者は許さないという強い姿勢で臨まなければなりません。あわせて一人一人の納税の意識を高めるためには市民と向き合い、税の中身の情報公開を進めることを怠ってはなりません。