今回の「コレってどうなの?」では、共稼ぎ家庭などのこどもたちを学校の放課後に預かる学童保育について取り上げます。年々少子化が一層進む現代ですが、学童保育では想定外の現象が起きているのです。
ききょうの里児童クラブです。
「ききょうの里ではこの建物に50人がいっぱい…。」と、加藤信子主任指導員は話します。
しかし、この学童保育にいる子どもは106人。わずか10年で6倍に膨れ上がりました。さすがに1つの施設だけでは補いきれません。
横断歩道を渡った反対側に先の建物を借りました。ここは昔、ギャラリーだったということです。一か所での運営は無理でしょうか?と聞くと、 「ちょっと無謀。子どもの気持ちを考えると…。」と話します。
厚労省が去年発表したガイドラインによると学童保育の適正人数は40人とされています。しかし富士市の場合は平均で62人。しかも70人以上の大規模施設が半数を占めるという異常事態になっているのです。
須津児童クラブです。ここも今ある施設では狭すぎて学校の空き教室を借りています。
涌田登美枝主任指導員に聞いてみたところ、「須津小は理解があるから。大変なところもある。授業中は静かにしろとか…」と話します。
富士市は25ある小学校のうち、24地区に学童保育があります。設置率は県内でもトップクラスです。
子どもにとって学童保育はもう1つの家庭です。兄弟がいて、親代わりもいるのです。
涌田登美枝主任指導員は、「楽しいから続くんですよ!そのひと言。求められたら開けるしかない。私もそうだったしお母さんの気持ちが分かるから全部受けたい。」と言います。
なぜ、利用者が増えたのか?背景には核家族化と親の共働きがあります。特に富士市は工業都市のためそれが顕著なのです。
富士市児童福祉課に聞くと、「入所者が8倍以上。少子化という現状がある中でここまで入所児童が増えることは予想するのはできなかった。」と話します。
ついには希望者を断る施設も出てきました。ききょうの里では今年から4年生が終わると卒園です。
ききょうの里児童クラブ 池田かず子主任指導員は「自分の兄弟をかわいがるような生活をしてくれる。ホントは6年までいる集団がほしい。」と語ります。
前後して持ち上がったのが国の進める「放課後こども教室」です。学校の空き教室などを使って無料で子どもを受け入れ、勉強をしたり遊んだりします。富士市では4月から4地区で週に1回から月に1回のペースで実験的にスタートします。
児童福祉課は、「大規模クラブがある地区では毎週月、金でやってもらうことで児童クラブの子が少しでも移ることで解消されることになれば」と話しますが、
生涯学習課に聞くと「児童クラブでは生活習慣の指導が主な内容で、子ども教室は体験の場、学習の場。似ているが別のものと考えて欲しい。」と話します。
「学童保育」と「こども教室」。同じ役所の中でさえ見解が違うのです。これでは子供を預ける親も混乱します。
そんな中、国は地方に厳しい要求を突きつけました。去年から開設日数が少ない施設への補助金をカットしました。さらに今後2年以内に大規模クラブを解消しないとこの補助金もカットするというのです。
厚生労働省育成環境課は、「補助金カットは荒治療的という声もあるが現場の強い希望もある。今現在利用している人の子どもたちの環境も守らなければならないので同時平行で進めていきたいと考えています。」と話します。
放課後子ども教室が待機児童の受け皿になり得ない以上、学童保育の拡充は九分といえます。私たち大人は自分たちの都合で子どもたちの大切な居場所を奪う権利はないはずです。いまの学童保育を見る限り、主役である子どもたちの気持ちが置き去りにされているといわざるを得ません。