浜松市は現在、来年2月の完成を目標に新水泳場を建設しています。こけら落としとして日本選手権の開催が決まりましたが、ここにきて利用料問題が持ち上がっています。
問題になっているのは来年2月のオープンに向け、浜松市が新しく建設している水泳場の利用料金です。
建設はまだ5割ほどですが、ずいぶんと大きくて立派な施設です。
新しい水泳場は地上2階地下1階。国際公認の50mプールをメインに最新の設備が整えられています。
客席には完成すれば日本最大級という開閉型のガラススクリーンが設けられ、観客は大会の興奮と熱気を味わうことが出来ます。
浜松市は近代水泳が発祥した地と誇るほど水泳の盛んな場所です。
地元、雄踏町出身の古橋広之進さんはフジヤマのトビウオと呼ばれ、世界で活躍しました。
新しい水泳場は古橋広之進・記念総合水泳場。愛称は「ToBiOトビオ」です。
レジャープールや飛び込みプールなどの水泳施設のほか、スポーツジムやスタジオまで備えた水泳場は総事業費およそ75億円。
来年4月にはこけら落としとして日本選手権が開かれることが正式に決まりました。
藤原理事長たちも新しい水泳場で第二の古橋を育てていくはずでした。
しかし…
PFIという新しい方式で浜松市が運営を委ねている会社が示した見積もりではこの夏に2日間の大会を開く場合、利用料はおよそ100万円。これまで使っていた江ノ島水泳場が8万円程度だったのに対して、13倍にも跳ね上がるというのです。
「これではやっていけない。厳しいというより不可能。」という、藤原理事長たち浜名湾遊泳協会は水泳場の利用料を引き下げるよう浜松市に要望しました。
市は協会の立場を尊重しながらも最後まで両者の議論は平行線をたどりました。
さらに新しい水泳場は個人の利用料も江ノ島の350円から730円に上がりします。
市民からは「江ノ島水泳場に比べて高すぎでは?」という声が聞こえます。
しかし、実は新しい水泳場は県内のほかの水泳場と比べてそれほど料金が高いわけではありません。子供たちの大会で利用する場合、県立水泳場は一時間当たりおよそ1万1000円なのに対し、新水泳場は7900円とむしろ安くなります。
しかし、これはあくまでもプールの利用料だけです。県立水泳場は利用料にすべての施設の使用料が含まれていますが、新しい水泳場はすべて別料金なのです。
新しい水泳場を運営する民間会社は「ハイグレードの施設なので、それなりの料金だと考えている。」と答え、浜松市側も「運営母体が民間なので、安くしろと簡単にいえない。」と話します。
しかし、このままの利用料では協会は大会に使うことができません。
「本当は使いたい。使いたくても使えないなんて、そんな馬鹿なことはない。何のために作ったのかわからない。」と藤原理事長は嘆きます。
藤原理事長たちはほかの水泳場のように特別な割引制度を設けるよう訴えています。
どんなに素晴らしい施設でも利用者がいなければただの箱です。オープンまであと10ヶ月。市や新会社が問題を解決するための時間はまだ残っています。