今回は風力発電を考えます。
クリーンエネルギーとして注目されている風力発電ですが、設置されると意外な問題点が出てきました。その現状を取材しました。
東伊豆町の試運転中の風力発電です。先日の大雨と落雷で風車の羽が割れました。その残骸は落下しています。折れた羽根は風車の半径150メートルに飛び散っているということです。
東伊豆町では、北海道に本社をおく民間業者が風車10基を天目山の尾根に建設し、この秋の本格稼動を目指して試運転をしていました。
今回の事故では2基が破損。地元の住民は恐怖を感じたといいます。
風車は高さ100m余り。性能を上げるために年々大型化しています。風力発電は地球温暖化の原因といわれる二酸化炭素を出さない自然エネルギーとして世界的に普及が進められています。県内でもすでに15箇所で21基が稼動し、今後およそ180基を建設する計画がありますが、設置は予定通りに進んでいません。
その理由は、事故や故障などのトラブル。ここ東伊豆町の住民は騒音を問題にしています。
風車から民家までの距離が近くても300メートルは離れているとはいえ、その圧迫感や風きり音に悩まされるといいます。また、通常では聞き取りにくい低周波音もでているのではないか、と住民は専門の医師を呼んで独自の測定調査をしています。
色々と沸き起こる風車の問題について、町はどのように考えているのでしょうか。
東伊豆町 企画調整課は「法的義務はないが、事業者の報告をうのみにしないで、しっかりと指導していきたい」と話します。
一方で、掛川市では、自然景観への影響に疑問の声があがっています。
歴史ある街並みから見える位置に建設された風車は、なじまないと鈴木さんは訴えます。しかしこの先、2つの民間業者があわせて18基の風車をこの近くに建てる計画があります。
さらに環境団体は、「渡り鳥の道になっている場合もあるので、考えて設置してほしい」と、動植物への配慮も求めています。
掛川市では、騒音や景観、動植物に配慮することを盛り込んだガイドラインを策定し、事業の受け入れを決めています。
風力発電を設置する場合、一定の基準を満たしていれば、自治体なら建設費の半分以下、事業者なら3分の1以下の補助金がでるため、今、計画が相次いでいます。
県では2010年度までに3万2200キロワット分の風力発電施設を作るという目標を掲げていますが、現在はまだ半分程度にも届きません。自然エネルギーを生かす手段として注目されている風力発電ですが、自治体や事業者には、地元の住民の不安を解消できるよう、十分な対応が求められています。